2020 Fiscal Year Research-status Report
対人ストレス状況下の自己制御:日常生活におけるプロセス検証とマインドセット介入
Project/Area Number |
18K03016
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
尾崎 由佳 東洋大学, 社会学部, 教授 (50459434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 有里 東洋大学, 現代社会総合研究所, 客員研究員 (00625501)
高 史明 神奈川大学, 人間科学部, 非常勤講師 (90594276)
竹橋 洋毅 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (70583871)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自己制御 / 自己統制 / マインドセット / 社会的認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会生活を送る中で、人間はさまざまな対人ストレス(葛藤・対立・攻撃・排斥など)を経験する。本研究は、日常生活において経験される対人ストレスおよびそれに対する反応の実態を調べるとともに、関与する心理過程の解明、また適切な反応を促進する介入法の開発をおこなうことを目的としている。特に、ストレスが心身の健康に与える影響に関して人々が素朴に抱いている信念(マインドセット)に着目した検証を行う。 当該年度においては、ストレスマインドセットを実験的に操作することにより、その後に経験するストレッサーへの反応がどのように影響されるかを検証した。 2021年2月には、日本に在住する成人サンプルを対象とした実験を行った。具体的には、事前セッションにおいて、説得的な動画視聴によるストレスマインドセットの介入操作を実施した。具体的には、実験群①では「ストレスは健康に良い影響をもたらす」という説得メッセージ呈示、実験群②では「ストレスは蓄積しない(水に流すことができる)」という説得メッセージ呈示、統制群では説得を含まず事実を述べるのみのメッセージ呈示を行った。続いて、日常的なストレス経験に関する継続的なデータ収集(経験サンプリング調査)を行った。その結果、マインドセット操作が有効であることが確認されたとともに、参加者の主観的な評価として「ストレスが軽減された」という報告が多数得られたことが成果として挙げられる。この実験データの分析については現在続行中であるが、その分析結果にもとづいて、より効果的な介入操作のしかたを検討した上で2021年度の研究に反映させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画において予定されていたスケジュールにほぼ準じるペースで研究が進んでいる。2021年2月に実施した実験データの分析がまだ続行中であるが、これを早期に完了させて本年度の研究に反映させることにより、2021年度についても計画どおりの遂行が可能になると見込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の成果を踏まえ、マインドセットの介入成果をより効果的なものにするべく、改善と検証を行う。その目的のもと、経験サンプリング法を活用した介入実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により学会出張が取りやめになったことから、出張費として計上されていた分が余剰となったため、次年度使用額が発生した。この次年度使用額は、オンラインでの実験データ収集を行うための予算に充当する。
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Research Products
(1 results)