2018 Fiscal Year Research-status Report
発達障害学生の修学支援に関するコーディネーターの役割
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18K03066
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
森 麻友子 和歌山大学, 障がい学生支援部門, 講師 (60754637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村中 泰子 神戸大学, キャンパスライフ支援センター, 特命准教授 (00456378)
池谷 航介 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 講師 (60740321)
舩越 高樹 京都大学, 学生総合支援センター, 特定准教授 (40792015)
柘植 道子 一橋大学, 学生支援センター, 特任准教授 (00401654)
西谷 崇 和歌山大学, 保健センター, 保健師 (30822564)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高等教育機関 / コーディネーター / 障害支援 / 役割 / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、障害者に関する法の整備に伴い、大学で障害のある学生を支援するコーディネーターが急増しているが、個々のコーディネーターの資質の点で課題がある。特に発達障害の場合、個別性が高く、本人の自己認識が乏しい場合もあり、支援を行う上で、建設的な対話や合意形成を行うスキルが重要となる。しかし、日本では、コーディネーターに求められる資質や役割は明確化されていない。そこで、本研究は、発達障害のある大学生に対する修学支援をより推進させるために、コーディネーターが実践すべき指針を示すことを目的としている。 日本では障害学生支援の歴史は浅く、先行研究が無いに等しいため、今年度の前半は、先進的取り組みがなされている米国のコーディネーターに関する資料を収集し文献研究を行った。その後、米国の大学を実際に訪問し、障害のある学生への支援プロセスと支援内容に関する情報を収集し、発達障害者を支援する有効な手法として、コーチングの技法を学んだ。 また、研究協力者であり、国立大学で障害のある学生を支援している複数のコーディネーターと検討会を3度実施した。そこで、アメリカ心理学会が提示している対人援助におけるコンピテンシー評価フォーム(知識、能力、価値観、態度を評価するフォーム)を日本語に訳し、コーディネーターのコンピテンシーを調査するために必要な項目について審議を行った。年度末より、その評価フォームを用いてコーディネーターへインタビューを実施した。当初予定をしていた質問紙ではなく、本評価フォームを用い、半構造化面接を行うことで、対象者の資質を、より掘り下げることができた。コーディネーターの役割が明確になれば、我が国の標榜するインクルーシブ社会の実現に貢献できる研究となると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
専門性の異なる支援実務者が集まる検討会で、コンピテンシーについての議論を交わし、調査を行うことができた。コーディネーターの現状を把握するためには、当初予定していた量的な質問紙ではなく、半構造化のインタビュー形式を用いることで、より根源となる支援の質について調査することが可能となった。また、次年度に考えていた海外での情報収集を今年度終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
・コーディネーターに関する半構造化面接で集まったデータを分析する。 ・障害のある学生がどのように合理的配慮へ至ったのかについてインタビューを行う。 ・中間報告を学会で行う。 ・両視点の分析結果より、修学支援をより推進するためのコーディネーターが実践すべき指針を提示する。
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Causes of Carryover |
購入予定であった統計用のソフトなど、既に前年度に異なる予算にて購入していたため、不要となった。開催地を代表者の和歌山ではなく、工夫することで共同研修者が旅費を抑えることができた。人件費は、4月へとずれ込んだため、次年度の予算になった。
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Research Products
(2 results)