2018 Fiscal Year Research-status Report
The effect of self-relaxation on somatic awareness, posture control and emotion
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18K03110
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
窪田 文子 いわき明星大学, 教養学部, 教授 (20195506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末次 晃 いわき明星大学, 教養学部, 教授 (40324892)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 動作法 / 姿勢制御 / 自己弛緩 / 感情状態 / 体験様式 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目である本年度は、実験系の構築、予備実験の実施、及び、それに基づく実験系の調整を行い、本実験に向けての整備を行った。 本研究では、臨床動作法を通して姿勢動作を自己調整する能力を獲得することにより立位姿勢と感情状態の変化の経過を明らかにすることを目的としている。姿勢動作の測定については、客観的指標として立位姿勢をとったときの水平方向、垂直方向へのズレ、重心動揺、脚の筋電位を測定し、それと並行してPOMSとSTAIにより感情状態と不安感情の変化を測定して、その対応関係を分析する計画である。 6月には、学内の研究倫理委員会に本実験の倫理審査を申請し、重心動揺計の購入のため、業者に購入予定と同様のタイプの重心動揺計のデモンストレーションを依頼した。また、重心動揺研究の実績を持つ他大学の研究者を訪問し、重心動揺の計測に関する具体的な指導・助言を得た。それと並行して、重心動揺測定時の筋電位の測定部位について文献を参考に特定した。 重心動揺計、衝立、ビデオカメラ等の実験機器や機材を購入し、立位姿勢の指標として立位姿勢の水平方向・垂直方向へのズレの測定、立位時の重心動揺と脚の筋電位の測定を行うための実験系を構築した。具体的には、水平線と垂直線が碁盤の目状に描かれた衝立を壁際に設置して立位姿勢のズレを測定するようにし、その横に重心動揺計を設置して立位姿勢の測定後、立位姿勢時の重心動揺と脚の筋電位が測定できるようにした。 3名の実験協力者を募り、予備実験として、立位姿勢の測定と立位時の重心動揺と筋電位を測定した。その結果、いくつかの不備、改善点が明らかになり、それらを調整したところで1年目の終了となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では1年目から実験協力者数名を対象にデータの収集を開始する予定であったが、さまざまな事情により、計画から大幅な遅れとなってしまった。 まず、前年度末に研究代表者と研究分担者が所属するいわき明星大学教養学部の学生募集停止が突然理事会で決定され、今後の見通しが不透明な状況のなか研究1年目を迎えた。 7月頃、業者に重心動揺計のデモンストレーションを実施してもらい、その後購入の発注を行ったが、納入が9月に入ってからとなり、思いのほか時間がかかった。その頃から、募集停止となる教養学部に変わる新学部の計画が具体化し、研究代表者はその設置準備委員として多くの時間を割かれ、研究の時間を確保することが極めて難しくなった。その状況は3月末まで続き、当初計画していたとおりに研究を進行することが難しくなった。 また、6月には学内の研究倫理審査委員会に本研究の実施に関して申請したが、その後連絡がないまま時間が経過し、結局、許可が下りたのが1月となり、それまでは研究協力者を募る活動ができなかった。これも研究が滞る1因であった。 研究倫理審査委員会からの承認を得て、実験協力者を募り、一部の協力者を対象に予備実験を実施できたのが、2月に入ってからとなり、大幅な遅れとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の本年度は、予備実験の結果に基づいて、実験系の不備を調整し、実験システムは構築されたため、実験協力者を対象に、本実験を実施してデータを収集し、解析を行う。その結果を学会で発表する予定である。本年度後半には新たな実験協力者を対象にデータ収集を行い、それを加えてサンプル数を増やしてデータ分析を行い、前半で得られた結果と比較する。サンプルが増えた段階で、サブグループの存在について検討し、可能性があれば、サブグループに分けて分析を行い、グループ間の違いを検討する。それを通して、立位動作の制御に関連する主体活動の一端を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた実験機器のうち中心となる重心動揺計について、予定していたモデルと同様の機能を持つものが予定していた金額より大幅に低い金額で購入できたことにより、予定していた研究費の使用が抑えられた大きな要因であった。また、実験の進行が予定していたより大幅に遅れたことにより、本格的なデータの収集が始められず、動作法の実施者及び収集したデータの整理補助者の雇用が発生しなかったため、予定していた費用が執行されず、次年度に持ち越される要因となった。 2年目の今年度は、実験の準備が整い、データの収集を本格的に行うことになるため、動作法実施者を雇用してデータを収集し、収集したデータの逐語記録を作成するなどデータ解析のためのデータ整理補助者を雇用することになり、昨年度持ち越した分を使用する予定である。 また、重心動揺計の購入に予定していた額と実際の購入金額との差によって生じた差額については、大量のデータ処理が必要となり、所有しているPCでは処理能力の不足が明らかになったため、データ処理のためのPCとデータ保管のためのUSBメモリの購入に当てる予定である。
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