2023 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of self-relaxation on somatic awareness, posture control and emotion
Project/Area Number |
18K03110
|
Research Institution | Iryo Sosei University |
Principal Investigator |
窪田 文子 医療創生大学, 心理学部, 教授 (20195506)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末次 晃 医療創生大学, 心理学部, 教授 (40324892)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 動作法 / 重心動揺 / 立位姿勢制御 / 情動反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、動作法により身体の緊張を自己弛緩してまっすぐに立つ練習をすることにより、立位姿勢の制御の仕方がどのように変化するかについて、重心動揺などの生理的指標と安定感などの主観的指標から捉えることを第1の目的とした。また、立位姿勢の安定に伴う感情状態の変化について検討することを第2の目的とした。本年度は、これまでに収集した15名の実験参加者のデータについて、動作法実施前後の重心動揺(総軌跡長、外周面積、単位面積軌跡長)と主観的指標(踏みしめ感、まっすぐ感、安定感)との関連、感情状態(STAI、POMS)の変化について分析した。 主観的指標については、参加者全員で、1試行を除き、動作法実施後に安定感、まっすぐ感、踏みしめ感が増加した。主観と生理的指標との関連を見るために、横軸に安定感を、縦軸に重心動揺の単位面積軌跡長をとり、動作法前後の変化をグラフにプロットし、2点を結んだ線分の角度により、増加、減少を分類した結果、全75試行中、増加28試行(37.4%)、減少44試行(57.3%)、その他3試行(1.3%)であった。以上から、動作法実施後は単位面積軌跡長が減少する場合が多いが、増加する場合もあることが確認された。単位面積軌跡長は、微細な深部感覚系による立位姿勢制御を反映していることが指摘されている。この結果から、動作法により、深部感覚系による立位姿勢制御が影響を受けた可能性が示唆された。また、単位面積軌跡長が増加した試行では、一貫して外周面積が減少し、減少した試行では、1試行を除いて外周面積が増加したことから、動作法により、重心動揺の範囲が広くなる場合と逆に狭くなる場合があることが示唆された。 動作法による感情状態の変化については、実施後に不安とネガティブな気分状態は減少し、活気(活力)は増加する傾向が見られ、動作法により感情状態が改善することが示唆された。
|