2021 Fiscal Year Research-status Report
協働的コンサルテーションによるスクールカウンセラーの全校型支援の展開方法
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18K03132
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
伊藤 亜矢子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (50271614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 芳幸 佐賀大学, 学校教育学研究科, 准教授 (30510367)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スクールカウンセリング / コンサルテーション / スクールカウンセラー養成 / スクールカウンセラー教育 / 学級風土 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究1】日本型の協働的コンサルテーションのプロセスと必要な力量の検討については、国内外の文献および研究者との意見交換から、主にコンサルテーションにおける「工夫」と学級への関わりについて検討した。これらについては、SC向け研修会等で発表し、映像教材等として公刊した。新型コロナ感染症の影響で大幅に遅れた面接調査についても、逐語録作成を進め、資料の整理や分析の枠組みの検討などを進めている。CCI事例について発表予定であった国際学会は新型コロナ感染症で中止等となったが、令和4年度に国内学会で発表する。ソーシャル・エモーショナル・サーベイについては、原著者Furlong氏・連携研究者飯田氏を中心に執筆した小学校版の論文が欧文誌に紙面公刊された。 【研究2】国際動向に照らした日本の全校型支援の構成要素の体系化については、The International Society For Policy Research And Evaluation In School-Based Counseling (ISPRESC)の、米国はじめ14か国が参加する国際調査International School-Based Counseling Activities Study(総括Carey氏)の一環として行ったスクールカウンセラーの活動および意識についての日本版質問紙調査について、Carey氏と分析および執筆を継続している。新型コロナ感染症の各国の流行や対策が異なるために、中断遅延がちであるが、引き続き継続する。ASCAモデルについては、著者の一人であるDahir氏と新版のASCAモデルについて意見交換等を継続し、コロナ感染症下でオンライン活動が充実したASCAの活動にオンライン参加し、情報収集を続けた。また、第4版に至るASCAモデルの変遷に見る活動モデル呈示の「工夫」について、紀要に小論をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症によって、前年度の面接調査実施の遅れをはじめとして、海外とのやりとりの中断や、学会スケジュールの急変など見通しがつきにくい状況が重なり、感染対策等で、必要な研究補助者の対面雇用なども難しかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度には、研究機関の異動を含めて新型コロナ感染症下での研究環境を整えることができてきたので、文献研究および面接資料の分析整理とまとめを加速化させる。特に、面接資料の分析には、分析の補助等が必須だが、新型コロナ感染症の中でも、そうした補助が得られる環境が整ってきたので、研究のまとめと発表を計画的に推進する。令和4年度には、国際学会についても、対面開催が増加しているので、開催状況と感染拡大の動向を注視しながら、適切に発表の機会を得られるようにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症により、①国際学会の参加が困難であったこと、②国内出張も難しかったこと、③前年度の面接調査実施が遅れたこと、④必要な研究補助者の雇用も(対面が難しいことなどから)困難を来したこと、が主な理由である。 最終年度になる令和4年度には、研究環境も整ってきたことから、①国際学会については、開催方法の急変なども踏まえながら、複数の学会について参加可能性を追求し、適切に参加費等を執行する。②そうした状況を補うよう、オンラインでの学会参加や資料収集に予算を使用する、③新型コロナ感染症対策で、調査分析の補助者の雇用等が過去2年は難しかったが、オンライン作業も含めて、分析補助を適切に得て研究を推進するようにし、補助者謝金を執行する。
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