2020 Fiscal Year Research-status Report
神経性やせ症の治療にピアサポーターが与える効果とピアサポーター自身の回復について
Project/Area Number |
18K03134
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
望月 洋介 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (30568572)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 淳和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50397428) [Withdrawn]
鈴木 峻介 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (50816262) [Withdrawn]
井上 淳 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (90535577)
磯部 智代 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (30825708)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 神経性無食欲症 / ピアサポーター / グループセラピー / リフレクティング |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】神経性やせ症(Anorexia Nervosa;AN)の患者は日本で増加しており、治療法の確立は喫緊の課題だが、世界的に見ても有効な心理療法は確立されていない。治療者が提供する従来のモデルには限界があり、新しいアプローチが求められている。近年、様々な分野で疾患や障害を抱える当事者が支援に加わるピアサポート活動が注目されている。ピアサポーターは当事者に変化の希望を与える重要な存在であり、統合失調症や依存症の支援では広く活躍している。しかし、AN治療におけるピアサポーターの有効性や、活動を通じたピアサポーター自身の変化についての報告はない。そこで、本研究は、以下の2つを研究目的とする。 1. AN患者に対するピアサポーターと協同したグループセラピーの効果検討(研究1) 2. ピアサポート活動がサポーター自身の回復に与える効果についての検討(研究2) 研究1及び2を通じ、AN治療に有効な新たなアプローチの提言を目指す。 令和2年度は、前年度に引き続き、対象患者とピアサポーターのリクルートを進め、ピアサポーターと協働したグループセラピーを定期的に実施してきた。令和2年度内に対象患者2名のグループセラピーが終了し、終了後のデータ取得も完了した。また、新たに1名の新規患者のリクルートも進み、現在グループセラピーを実施中である。 ピアサポーターについてはリクルートが進まず、継続していたピアサポーターの内3名が諸般の事情から、令和2年度は活動参加が不可能となった。残り3名からは定期的なデータ収集を継続中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年2月~5月末まで、COVID-19の影響により、グループセラピーを実施することが困難となり、その間研究を中断せざるを得なかった。2020年6月より、定期的なグループセラピーを再開し、現在まで継続しているが、COVID-19の影響で参加が難しくなったピアサポーターもおり、十分なデータ収集には至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度前半は、前年にCOVID-19の影響で中断していた時期を補完する時期と位置づけ、引き続き、対象患者及びピアサポーターのリクルート及びグループセラピーの実施を進めていく。後期は、現在取得しているデータで可能な限りの分析を進め、成果を発表できる形を作っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
2021年2月~5月末までCOVID-19の影響により、研究を中断せざるを得ない状況となったため、その間の人件費、交通費などが使用されなかった。令和3年度、中断した時期の分のグループセラピーを実施していき、そこで人件費、交通費として繰り越し金を使用する。
|
Research Products
(2 results)