2022 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental research on the effect of auditory bilateral stimulation on depressive symptoms
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18K03167
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
山内 美穂 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 非常勤研究員 (10443491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川原 譲二 一般財団法人脳神経疾患研究所, RIセンター, センター長 (20521107) [Withdrawn]
猪原 匡史 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (00372590)
福田 哲也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (90443506)
樋口 隆弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (30739850) [Withdrawn]
飯田 秀博 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 客員教授 (30322720)
岩切 昌宏 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (50283841)
権藤 恭之 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (40250196)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 抑うつ / 脳神経ネットワーク / 心理リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,脳内神経ネットワークの障害とその回復に伴う抑うつ症状の改善が示されている。本研究の目的は脳を直接的に刺激する左右交互刺激の両側性刺激の脳内神経ネットワークへの作用と,その抑うつ状態改善への影響を検討することである。 現在,抑うつ状態を改善するには大別して薬物療法と心理療法があり,双方が同時並行的に行われると治療効果が高いことが知られている。心理療法のひとつであるEMDRでは否定的記憶を想起しながら両側性交互刺激を加えることで脳を直接的に刺激し,否定的記憶の神経ネットワークを適応的なネットワークに変化させることで症状の緩和や消失をもたらし,抑うつに対する治療効果も示している。しかしその機序はまだ十分には明らかになっておらず,両側性刺激の機序が明らかになることは治療や症状改善に役立つと考えられる。本研究では両側性交互刺激に聴覚的刺激を選択し,実験を実施した。聴覚的刺激は運動機能によらず,受動的に受けることができるため,幅広い対象者に対応できると考えられるためである。 本研究は,両側性刺激が脳機能の神経ネットワークに及ぼす影響を調べるfMRI実験およびNIRS実験を行う計画であった。しかしfMRI実験は機器トラブル等から,NIRS実験では実験開始直後にCOVID-19の流行から実験の中断が生じ,予定していた実験全てを行うことはできなかった。しかし実施できた実験結果からは,聴覚的両側性刺激による前頭前野領域の変化が示された。これまでの研究を踏まえ,聴覚的刺激は両側性刺激として有用性があると考えられる。抑うつとの関係性を検討するには症例数が少なく今後の研究が必要であるが,前頭前野領域の変化から抑うつ状態へも変化を与える可能性が示唆された。
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