2018 Fiscal Year Research-status Report
On quasihereditary covers and functors
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18K03250
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮地 兵衛 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (90362227)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Hecke代数 / Cherednik代数 / 表現論 / 準遺伝被覆 / 最高ウエイト圏 / 代数解析的関手 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題の主な対象は、(巡回的)Hecke代数の準遺伝被覆であるSchur代数や有理的Cherednik代数(RCAと略記)の圏Oである。RCAは、無限可積分系において産声を上げ、その圏Oは、他と密接に繋がり(例えばaffine Lie 代数の放物的圏Oと直に繋がり)大変活発な研究領域であり、多くの研究者を魅了している。 この圏OにおいてはBezrukavnikov-Etingofによる(代数解析的)誘導関手および制限関手の存在が知られている。ここでは、BE-誘導関手・BE-制限関手と呼ぶこととする。BE-関手は、非自明な構成法により定義される。例えば制限と呼んでいても作用域を制限するというものではない。特別な場合が有名なKZ関手である。 有限群の表現論において誘導関手・制限関手の等式にマッキー公式というものがある。これは、Greenによるヴァーテックス理論の要となる基礎定理である。 今年度までの桑原敏郎氏(筑波大)、和田堅太郎氏(信州大)との共同研究によってr次巡回群とn次対称群のwreath積W(r,n)に付随するRCAの圏OでのBE-関手に関してマッキー公式が成立することが分かった。W(r,n)のRCAのクラスは、最も大きい無限系列となっている。有限群の場合には、部分群全体が作る半順序集合に関するマッキー公式であるが、BE-関手の場合には、RCAを定義する複素鏡映群の放物的部分群に関するものとなっている。この内容を論文にし研究誌に投稿した。また、BE-関手に関するヴァーテックス理論に着手し、現在いくつかの重要な布石を打てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々のやるべきことは、計画書に記した通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、計画の通り桑原・和田両氏とともにヴァーテックス理論を展開する。これは、基礎理論から作り上げる長距離な研究となることが見込まれる。
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Causes of Carryover |
2019年度前期の多くの授業を後期にかため、今年度出張・招へいにより旅費を多く使う見込みのため今年度に残した。謝金等についても同様の理由である。
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Research Products
(5 results)