2021 Fiscal Year Research-status Report
写像類群のジョンソン準同型をめぐる研究:曲面上の1次元的対象を用いたアプローチ
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18K03308
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
久野 雄介 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (80632760)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 写像類群 / デーンツイスト / ファットグラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の一つのテーマは、一般デーンツイストと呼ばれる、曲面上の閉曲線に対する代数的構成の研究である。今年度は、前々年度にG. Massuyeau氏(ブルゴーニュ大学)、辻俊輔氏(明治大学)との協力により執筆した一般デーンツイストに関する概説論文の改訂作業を行なった。また、曲面上の閉曲線が定める、曲面上の平坦束のモジュライ空間上のハミルトン流との関係についての考察を続けた。もう一つの研究テーマである、3価ファットグラフスパインの数値的不変量については特に進展がなかった。 その他、曲面の写像類群に関する研究として、次を実施した。 1) 以前に執筆した、ゴールドマン・トュラエフ・リー双代数の形式性と高種数版の柏原・ヴェルニュ問題に関する論文について、内容をより整理するための改訂作業を続けている。当初の予定よりも時間がかかっているが、非可換発散コサイクルの諸性質に関する主要部分の改訂は完了した。次年度までには終了する見込みである。(A. Alekseev氏(ジュネーブ大学)、河澄響矢氏(東京大学)、F. Naef氏(コペンハーゲン大学)との研究協力による。) 2) ジョンソン準同型の新しい障害を幾何的に得ることは、本研究の重要な目標の一つである。このことを目的として、曲面上の曲線に対する演算で、ゴールドマン括弧積、トュラエフ余括弧積に続く高次の演算を見出す研究を行なった。いくつかの方法を試みたが、いずれも既知の演算によって記述されることが判明し、成功には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大により研究情報の収集や研究打ち合わせの実施に支障を生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、いままでの方針で研究を進めていく。昨年度と今年度に比べ、次年度以降は研究出張がしやすくなり、研究協力者との研究協力が進むことを期待している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大のため、計画していた研究出張ができなくなったことによる。次年度以降に研究出張を行うため、期間延長の手続きを行なった。
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Research Products
(6 results)