2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on the processes of ascent and cooling of deep crustal rocks in continental collision orogens based on unusual melt inclusions
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18K03789
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
廣井 美邦 国立極地研究所, 研究教育系, 外来研究員 (40019427)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メルト包有物 / 過冷却組織 / ザクロ石 / グラニュライト / 高温変成作用 / 部分融解 / 微細組織保存 / 大陸衝突型造山運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主として、これまでに集積したデータを論文化する作業を進めつつ、その過程で不足していることが明らかになったデータ補充のための観察(主として偏光顕微鏡と電子顕微鏡)や分析(電子線マイクロプローブアナライザ、カソード・ルミネッセンス, ラマン分光等)を国立極地研究所や九州大学等で行った。また本研究を実施する上で最も重要な地域(国)であるスリランカにおいて、同国の地質調査所や大学の共同研究者と多面的な討論をするとともに、同国の地質学会で講演(Ananda Coomaraswami Orationと呼ばれる招待講演)し、さらにペラデニヤ大学でワークショップを開催して、研究代表者が保有する重要な岩石薄片を特に同国の若い研究者が直接検鏡する機会を設けた。それは、次世代の研究者にこれまで世界中の研究者が見逃してきた「グラニュライト(高温広域変成岩)中の過冷却したメルト包有物(珪長岩包有物)」がどのようなものであるかを実感し、それを見出すための要点を習得して本研究の意義を理解し、今後大きく展開してもらうためであり、本研究計画の当初案に含まれるものであった。これまでに蓄積してきたデータを分かりやすく整理して講演するとともに、一部ではあるが論文として公表した結果、「大陸衝突型造山帯の深部にあったグラニュライトがこれまでの常識よりも桁違いに速く上昇し冷却することがある」とする本研究の意義が少しずつではあるが理解され、浸透していることを確認することができたが、さらに広く開陳する必要性も認識した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文化は着実に進んでおり、今年度も重要なデータを提示する論文を1本ではあるが印刷公表できた。また本研究はこれまでの学界の常識を打ち破るものであるため、それが理解され、広く受け入れられるように、スリランカ国の地質学会において講演するとともにワークショップを開くことができた。このように、当初の計画通り、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、論文化を進めるとともに、その過程で不足が明らかになったデータの補充を行う。また国内外の学会において本研究の重要性を開陳し、論文を印刷公表する。
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Causes of Carryover |
理由;2020年3月に計画されていた研究集会が新型コロナウイルス感染予防のため中止され、予定していた旅費が未使用となった 使用計画;次年度に研究集会に参加する際の旅費および論文の出版費に使用する
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Research Products
(3 results)