2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K04194
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
軸屋 一郎 金沢大学, フロンティア工学系, 准教授 (90345918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木野 勝 京都大学, 理学研究科, 助教 (40377932)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 制御工学 / 能動光学 / 天体望遠鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
せいめい望遠鏡の分割主鏡制御の基礎検討を行い、実験的な検討を進めている。望遠鏡の設計情報をもとに制御対象のモデル化を行った。分割主鏡は18枚の分割鏡(内周セグメント6枚と外周セグメント12枚)と内周リングから構成される。アクチュエータはステッピングモータを含み、角速度・速度指令を与えて角度・位置制御を行うので、積分器を用いて動特性をモデル化した。また、分割鏡と分割鏡の間には各辺2個ずつ距離センサが配置されており、内周セグメントと内周リングの間には合計12個の距離センサが配置されており、合計72個のセンサが配置されている。状態変数(角度・位置)から距離センサ出力までの依存関係を、設計データをもとに幾何学的に割り出し、線形化を行うことにより作用行列を導出した。 本研究では、実験的に作用行列を推定する方法について検討を行った。制御対象を積分器と作用行列の積と考え、入出力データから作用行列を推定する、多入出力積分器モデルのパラメータ推定問題として定式化した。入力を積分してから最小二乗法計算によりパラメータ推定が可能であることを示し、シミュレーションにより検証した。 また、分割主鏡制御問題を出力フィードバック制御問題と解釈して、集中制御と分散制御と呼ぶ二種類の制御手法を提案した。集中制御については、望遠鏡に実機実装され、観測開始に至っている。本研究では、集中制御と分散制御のそれぞれに対して制御試験を行い、実験データを取得した。シミュレーション解析に比較的類似する側面と、シミュレーション結果とかけ離れた側面の両方が見られ、制御工学の観点から実験データの解析を進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル化と制御則の提案を行い、シミュレーション検討も行い、実機試験を行えているので。
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Strategy for Future Research Activity |
集中制御と分散制御を望遠鏡実機に実装して、実機試験を行いたい。設計段階では、アクチュエータの速度飽和のみを考慮した。実機実装して試験を行ったところ、アクチュエータの位置飽和の方が問題となることが明らかとなった。現状で制御則を実機実装できているのでミッション的には成功であるが、詳細な実験データを取得して制御工学の観点からシミュレーションと実機の対応関係などを詳細に解析を続けていきたい。科研費から旅費支出を行い、出張と天文台への滞在を繰り返すことにより、緊密な連携を深めて実機試験を進めたい。
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Causes of Carryover |
学会参加費用と研究打ち合わせ費用を確保するため。
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Research Products
(3 results)