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2018 Fiscal Year Research-status Report

けい酸塩系表面含浸材による硫酸劣化に対する抑制効果と下水施設の延命化への適用提案

Research Project

Project/Area Number 18K04313
Research InstitutionKanazawa Institute of Technology

Principal Investigator

大嶋 俊一  金沢工業大学, バイオ・化学部, 准教授 (30367453)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsけい酸塩系表面含浸材 / 硫酸劣化 / 透水抑制 / 改質効果
Outline of Annual Research Achievements

平成30年度は、主に低pH条件による硫酸劣化条件にて試験を行い、劣化後のモルタル供試体を用いて各種試験を行い、硫酸劣化に対するけい酸塩系表面含浸材の塗布効果について検討した。その結果、表面含浸材を塗布することで、pH1で7日間硫酸浸漬しても形状は維持されたが、1日硫酸浸漬した試験体と比較すると、その透水抑制効果は低かった。また、硫酸イオンとの反応により、表層に残存する難溶性塩の量が形状維持や透水抑制効果に影響していると考えられ、塗布することにより表層の難溶性塩量が増加し、表層の多孔化の抑制に繋がったと考えられる。また、pH2で4~12週間浸漬した場合、剥離等が抑制され、形状の維持効果は確認できたが、透水抑制はほぼ得られず、低pH条件下では酸による劣化の影響が大きいと考えられる。しかしながら、得られた結果より、剥離抑制等の形状維持や表層の多孔化抑制は期待できると考えられ、今後硫酸塩劣化について検討していく予定である。
また、pH2で1日間硫酸劣化させた後にけい酸塩系表面含浸材を塗布したところ、透水抑制効果は得られ、硫酸劣化後でも表層の改質効果が得られることがわかった。ただし、得られた透水抑制効果は、半分ほどであり、塗布前の劣化状況が大きく影響することが示唆された。
さらに、使用したけい酸塩系表面含浸材の高機能化のために、主成分であるけい酸ナトリウムの組成と改質効果について検討を行ったところ、けい酸ナトリウムのモル比(SiO2/Na2O)が2.3~2.7において最も高い効果が得られることがわかった。そのため、本研究課題においては、モル比2.5のけい酸ナトリウムを表面含浸材として用いて研究を遂行した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

硫酸劣化後の塗布効果に関する知見が多少得られているが、当初行う予定であった圧縮強度試験などの物理的な評価試験や低劣化条件下における抑制効果の検討に着手できておらず、進捗状況は遅れていると判断する。平成30年度に得られた結果を考慮して、評価・検討項目を適宜修正しながら、効率良く研究を遂行する必要があると考える。

Strategy for Future Research Activity

得られた結果を考慮して、高硫酸劣化条件下における劣化度合いの物理的な評価を行うと共に、劣化後の表層における化学種について同定し、期待される形状維持効果との関連について、化学的に検討する。また、酸による劣化の影響が大きく、表層に残存する難溶性塩量が劣化抑制効果の主原因になると予想されるため、高い硫酸塩劣化条件における含浸材の塗布効果について評価することとし、硫酸イオンの侵入量および表層の化学種同定などの化学種分析およびビッカース硬さ測定や空隙率測定などの物理面からの検討を中心に行う。

Causes of Carryover

研究進捗状況がやや遅れたことと、表層の化学分析のために計上した外部分析依頼を行わなかったため、物品費および謝金に余剰が生じた。平成31年度の当初物品費は平成30年度に比べて少なく計上しており、繰り越し分と合わせて効率良く消耗品を購入していく予定である。また、表層の化学分析および解析の専門家を研究分担者として追加予定であるため、繰り越しの一部は研究分担者の直接経費とする予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] けい酸塩系表面含浸材におけるけい酸ナトリウムのモル比とモルタルの改質効果に関する検討2019

    • Author(s)
      大嶋俊一、黒岩大地、西野英哉、宮里心一
    • Organizer
      コンクリート工学年次大会2019

URL: 

Published: 2019-12-27  

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