2019 Fiscal Year Research-status Report
鋼床版とSFRC舗装の接着剤接合部における劣化特性と耐久性評価に関する研究
Project/Area Number |
18K04326
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
村越 潤 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (60355881)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 鋼床版 / SFRC舗装 / 接着剤 / 接合 / 環境負荷 / 耐久性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、鋼床版の疲労対策技術である鋼繊維補強コンクリート(SFRC)舗装について、舗装とデッキプレート間の接着剤接合に着目し、その長期耐久性を明らかにするものであり、温度と水による環境負荷が接合部の強度及び破壊性状に及ぼす影響の解明、実環境での劣化傾向と劣化促進試験結果との関係の明確化等を目標としている。 2019年度においては、SFRC舗装用の性状の異なる3種類のエポキシ樹脂系接着剤を使用した、舗装と鋼床版デッキプレート間の接合部を模擬した試験体に対して、実床版での環境負荷条件を踏まえ、1ヶ月~12ヶ月間の温水浸漬(50℃,70℃)による劣化促進試験を実施し、環境負荷後の接合部の劣化特性を分析した。また、3種類の同接着剤とプライマー併用の接着剤に着目した引張せん断試験体及び樹脂圧縮試験体に対して、同様の劣化促進試験を実施し、環境負荷後の接合面及び樹脂の強度特性への影響を分析した。その結果、負荷初期では接着剤の養生効果により接着剤接合部の強度は漸増傾向にあるが、6ヶ月後には材料破壊から界面破壊への移行とともに強度低下が発生することが確認された。また、接着剤単体に着目した試験に関して、温水浸漬による環境負荷後の圧縮強度と樹脂吸水率の関係及び赤外吸光分析の結果より、強度低下には樹脂内への水の浸入による膨潤の影響が大きいこと、接着剤にプライマーを併用した場合にはプライマー境界部の界面破壊による強度低下が発生することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の性状の異なる接着剤とその接合部を対象とした劣化促進試験を通して、実構造を模擬した接合部の劣化特性と、接着剤単体としての劣化特性に関するデータが得られており、環境負荷の強度特性への影響把握に向けて、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
劣化促進試験による環境負荷後の強度特性に関して、一部想定と異なる破壊性状が見られており、引き続き強度低下の要因の分析を進めるとともに、既往の実環境下での暴露試験体の劣化特性データとの比較分析を行い、両者の経時的な強度低下の関係(環境促進試験における劣化促進倍率)について検討を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額については端数残額であり、次年度の研究費に充当し、当初の予定通りに計画を進めていく。
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Research Products
(2 results)