2020 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
18K04413
|
|---|
| Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
|---|
Principal Investigator |
中澤 暦 福岡工業大学, 付置研究所, 研究員 (10626576)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 弘和 鳥取大学, 農学部, 准教授 (90432161)
永淵 修 福岡工業大学, その他部局等, 客員教授 (30383483)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 水銀 / 長距離輸送 / 自由対流圏 / 地衣類 / 蘚苔類 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
水銀は極微量でヒトや野生生物に対し毒性を有する物質である。大気中水銀には0価のガス状水銀(GEM) 、2価の反応性ガス状水銀(Hg(II):GOM)、粒子状水銀(PBM) がある。その95 %以上を占めるGEM は、水に溶けにくい為、大気中での寿命が長く、全球を循環する。そのため水銀の排出から遠く離れた地点でも高濃度に水銀が沈着することがある。大気中水銀は最終的に光化学反応等により水に溶解しやすいGOM となり、降水により除去される。GOMの降水による除去過程はレインアウトが主とされ、沈着量は降水量に依存する。しかし近年、自由対流圏からのGOMの取り込みが指摘され、降水のパターン(対流性降雨(積乱雲)、高地での降雨など) により沈着メカニズムや沈着量が異なると言われているが定説はない。
本年度は蒜山演習林内で、前年度より継続している、渓流水、降水、地下水、樹幹流、林内雨の観測を継続し、通年のデータを得ることができた。これについては、現在、解析を進めているところである。さらに、これらの観測と合わせて、リターの採取も行っている。今後、凍結乾燥させたのち、リター中の水銀の分析を進めていく予定である。本年度は新型コロナウィルス感染症拡大の影響を大きく受けた。計画している調査のうち、森林内土壌からの水銀の再放出量に関する調査等、計画通りに進捗させることができなかった。今後継続してデータの収集を行っていく予定である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
年度初めより、新型コロナウィルス感染症拡大の影響が出始めた。県境をまたいだ移動の制限等により調査を行うことが困難になったこと、大学への入構制限を受けたこともあり、分析を進めることができない状態となった。先が見通せない状態が継続してはいるが、今後分析と解析を進めていく予定である。
|
| Strategy for Future Research Activity |
蒜山演習林での降水・渓流水中の水銀に関するデータセットを作成することができた。欠落部分についても再度調査を行い、一定のデータセットを完成させることができた。リタートラップにて回収したリターの分析が残っており、今後進めていく予定である。
|
| Causes of Carryover |
蒜山演習林での降水・渓流水中の水銀に関するデータセットを作成することができた。欠落部分についても再度調査を行い、一定のデータセットを完成させることができた。リタートラップにて回収したリターの分析が残っており、今後進めていく予定である。
|
