2018 Fiscal Year Research-status Report
調湿性能評価における新たな湿流束の概念導入と換気カプセル法による計測手法の開発
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18K04459
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
三田村 輝章 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (10406027)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 調湿性能 / 換気カプセル法 / 湿流束 / 模型実験 / 現場測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
湿流束の測定装置の試作と模型実験による精度の検証を行った。測定装置は発汗計の換気カプセルの寸法を変更し,それに伴い計測間隔等の調整を行った。実験は前橋工科大学構内の実験室内で実施し,過去に調湿性能評価のために製作した室容積1立米の実験チャンバーと温湿度制御装置等を流用した。実験はチャンバー内を電動ポンプにより一定量の換気を行った状態で,チャンバー内部で3時間の加湿と減衰を1サイクルとする励振を数サイクル繰り返し,内部に吸放湿体として,市販の調湿性パネル,土壁のサンプル(中塗り仕上げ,漆喰仕上げ),木片,石膏ボード等を設置し,吸放湿体の重量変化を計測することで吸放湿量の真値を把握した。一方,同時にチャンバー内部の吸放湿体を対象に換気カプセル法による湿流束の測定を並行して行い,その測定値と先の真値の比較から計測精度の検証を行った。その結果,換気カプセル法による測定から,建材表面の吸放湿状況を把握することは可能ではあったが,土壁や木材のように材料の厚みが大きく,建材深部までの湿気移動の影響がある湿気容量が大きい建材と,調湿性パネルや石膏ボードのように厚みが小さく,表面近傍で吸放湿を行い湿気容量の小さい建材では,特に吸湿量よりも放湿量の測定で差が生じることがわかった。また,換気カプセル法による測定では,建材によらず吸湿量と放湿量で近い値を示す傾向にあることを把握した。その他,換気カプセルの気密性に関する検討として,カプセル周囲にシーリングを行う実験を実施したが,シーリングの有無による差は小さかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
模型実験において,実験装置を構成する温湿度制御装置が故障したため,修理に時間を要し,当初予定していた実環境下における現場測定の実践が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの模型実験において得られた知見を元に換気カプセルの形状等,測定装置の改良を行う。また,遅れている実環境下における現場測定を実践し,データの蓄積を進める。
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