2019 Fiscal Year Research-status Report
データ同化手法を用いた都市の風環境評価に資する標準上空風の計算
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18K04473
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
下瀬 健一 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 水・土砂防災研究部門, 特別研究員 (40729183)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビル風 / 環境アセスメント / 気象モデル / データ同化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,都市に展開されている気象観測データと気象モデルによる格子点値をデータ同化技術により融合させることにより,より精度の高い初期値を用いた気象モデルによる風計算を実行し,風環境評価の精度向上に資する高精度な標準上空風を1 kmメッシュ・10分毎で作成することを目的としている。具体的には,ビル風のアセスメントとして用いられる10分間平均風速の風計算を行い,「10分間平均風速の累積頻度に基づく評価尺度」に資する標準上空風を作成することを目指す。 2019年度は,2018年度に開発した気象モデル(CReSS)による任意の観測高度での風速計算プログラムについて更なる検証を行った。複数事例において検証を行ったところ,平均的には高い精度で風速を再現できていることを確認した。一方で,一部の事例ついては著しく精度が悪くなる解析結果が得られたため,風計算に利用する観測データの品質や解析手法について精査を行い,精度向上に向けてパラメータを調整した。さらに,通年の精度検証を行うためのシステム作成に着手した。 加えて,地上付近の風の推定に不可欠な気象モデルの境界層乱流スキームへの理解を深めるために,境界層乱流スキームの開発者を講師として招き国内研究集会を主催した。国内の研究者等34名が集い,講師から境界層乱流スキームについて学ぶだけでなく,参加者から最新の研究発表を行っていただき,地上付近の風の推定技術についての知識と理解を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計算パラメータの調整や解析手法の精査に時間を要し,2019年度に開始を予定していた通年の検証を行うに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
通年の精度検証を行い,データ同化に関するパラメータ調整を行う。その上で複数年にわたる風計算と統計処理を行い,データベースを整備する。さらに,その結果を学会誌に投稿し受理されることを目指す。
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Causes of Carryover |
計算パラメータの調整や解析手法の精査に時間を要したことから,記憶媒体購入の見送りや論文投稿の遅延により,次年度使用が生じた。 繰越は次年度行う予定の成果発表に用いる記憶媒体などの購入や論文投稿費に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)