2018 Fiscal Year Research-status Report
高精度界面構造解析のためのX線反射率法の改良の研究
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18K04938
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤居 義和 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (80238534)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | X線反射率法 / 表面界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
表面から深さ方向の構造を原子レベルで評価できる有用な解析方法としてX線反射率法が表面材料開発など多くの分野において利用されているが、最近になってこのX線反射率理論式に重大な誤りが含まれており、現在使用されている理論式では正確な構造が得られないばかりでなく場合によっては大きく違った構造の結果を与えてしまうことが分かった。 そこで、本研究では、多層膜薄膜表面などのX線反射率測定による構造解析のためのより正確な解析式を求めることを目的として、X線反射率測定以外の分析法との比較検証、即ち、同一の多層膜表面試料についてX線反射率法と断面TEM観察、AFMによる表面粗さ観察、RBS測定による膜厚測定の4つの測定解析結果の比較検証を行うことにより、粗れた界面における透過係数と反射係数の減衰率について物理的に合理的な解析式を求める。X線透過係数の減衰率、X線反射係数の減衰率は、共に、表面粗さ、界面粗さの表面に平行な方向のモルフォロジーに依存するため、求めようとする減衰率はいずれにしても近似的なものとなる。そこで、この表面粗さモルフォロジーの違いによる最適な減衰率近似式の違いを探るため、表面粗さモルフォロジーの違う表面試料についてX線反射率測定結果を解析し、粗さモルフォロジーの違いによる最適な減衰率近似式の検討を行った。 研究代表者は、本研究課題申請時の平成29年度までは、神戸大学研究基盤センター機器分析部門に所属し、高性能多機能薄膜X線回折装置や、高分解能分析電子顕微鏡、多機能原子顕微鏡装置など、多くの分析装置を管理しており、その分析機器を利用できたが、平成30年度に工学研究科に移動となり、これらの分析装置の利用が困難となったため、以前に測定していた表面粗さモルフォロジーの違う表面試料についての測定結果および研究協力者による測定結果などについて精度を高める理論解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は、本研究課題申請時の平成29年度までは、神戸大学研究基盤センター機器分析部門に所属し、高性能多機能薄膜X線回折装置や、高分解能分析電子顕微鏡、多機能原子顕微鏡装置など、多くの分析装置を管理しており、その管理を含めて、一般利用者の利用時間外時間などに、X線反射率測定、TEM観察、AFMによる表面粗さ観察などを行うことができたが、平成30年度に工学研究科に移動となり、これらの分析装置の利用が困難となったため、以前に測定していた表面粗さモルフォロジーの違う表面試料についての測定結果および研究協力者による測定結果、そして、他の研究者によって得られた測定結果など、多数の実験結果を使って、比較解析を行い、表面粗さモルフォロジーの違う表面試料についての、を利用して、その精密な解析を進めることで、粗さモルフォロジーの違いによる最適な減衰率近似式の検討を行い、精度を高める理論検討を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の所属する大学での研究環境では、新しく実験測定を行って比較解析を行うことが困難であるため、これまでの実験測定結果および研究協力者による測定結果、そして、他の研究者によって得られた測定結果など、多数の実験結果を使って、比較解析を行い、表面粗さモルフォロジーの違う表面試料についての、その精密な解析を進めることで、粗さモルフォロジーの違いによる最適な減衰率近似式の検討を行い精度を高める理論検討を進め、多層膜薄膜についてのその後、得られたX線反射率解析式の多層膜表面への適用検討を行い、改良したX線反射率解析式の多層膜表面への適用できるプログラムコードの開発に着手し、改良したX線反射率解析式の多層膜表面への適用試験を行う。改良したX線反射率解析式は学会などで広く一般に公開する予定であり、そこで交流のある外部研究者などに利用していただくことでも、この適用試験を広く行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
人件費・謝金が78円の端数余ったので、次年度の人件費・謝金に充てる。
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