2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of water splitting system using non-oxide photocatalysts under visible light irradiation
Project/Area Number |
18K05296
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
東 正信 大阪市立大学, 人工光合成研究センター, 特任准教授 (10711799)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 硫化物 / 光電極 / 水分解 / 可視光 / 人工光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き安定に水分解可能なCdS光アノードの調製法について検討した。 CdSはケミカルバス法により透明導電性ガラス電極FTOに堆積させ、その堆積時間およびその後の窒素雰囲気下における焼成温度がCdS光アノードの光電気化学特性に与える影響を検討した。堆積時間が30 sから2 minに増加するに従い光電流は増加し、これはCdSの堆積量が増えることで光吸収量が増加したためと考えられる。3 min堆積することで光電流は減少したが、これは膜厚が厚くなることで、基板付近の正孔が電極表面に到達できないこと、また基質である[Fe(CN)6]4-が電極内部に拡散できないことが考えられる。最高値を示した2 minの電極を用いて焼成処理(200~500 ℃)を施し、定電位条件下(-0.5 V vs Ag/AgCl)における光電流の安定性を評価した。未焼成、200、300 ℃焼成の場合は時間の経過とともに光電流は減少していった。これは速やかにCdSの光溶解が進行したためと考えられる。反応後の各種分析から、CdSの大部分はK2Cd[Fe(CN)6]に変化していた。一方、400 ℃で焼成した電極の場合は徐々に増加し安定した光電流が観測された。これは、400 ℃焼成によりCdS電極が平滑化し、表面積が低下することで光溶解するCdS量が減ったことが考えられる。その結果、CdS表面にK2Cd[Fe(CN)6]が生成し,それが[Fe(CN)6]4-の酸化を促進したため光電流が増加していったと考えられる。500 ℃焼成した場合は、他の場合と傾向が異なり、光電流がほとんど流れなかった。これは、500 ℃焼成することで不純物(CdO)の結晶化が進行していたことから、不純物が関与していると考えている。このように、CdS光アノードの安定性には電極の形状が大きく寄与することが分かった。
|