2019 Fiscal Year Research-status Report
積分方程式/第一原理計算結合理論を用いた電極界面現象の解明
Project/Area Number |
18K05307
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
山本 雅博 甲南大学, 理工学部, 教授 (60182648)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 電極界面 / 電位 / 積分方程式 / 微分キャパシタンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年に引き続き,大谷・西原らの開発した積分方程式RISM(Reference Interaction SIte Model)+第一原理計算コードQuantum Espressoを使って,帯電したAl(100)面上の微分キャパシタンスを計算した。古典的なGouy-Chapman-Stern(GCS)モデルや銀の単結晶面での実験結果より,微分キャパシタンスは,1)電極が帯電していないゼロ電荷点(pzc)で極小値をとること,2)極小値は電解質の濃度が低いほど小さくなること,3)GCSモデルでは電位がpzcから正負側にふれるにつれ一定の値となるが,銀の単結晶の種々の電解質溶液では,極小値からいったん最大値をとって減少して一定になる火山状(volcano)になることですある。本年度は,NaCl水溶液の濃度を変化させ,Al(100)電極表面の電荷密度をかえて,金属電極と沖合の水溶液電位差と電荷から微分キャパシタンスを理論的に求めた。その結果,微分キャパシタンスの絶対値はほぼ実験結果と一致した。また,電解質溶液の濃度が小さいほど微分キャパシタンスが小さくなることも確認した。volcano型の微分キャパシタンスカーブは,完全に再現するには至っていないが,その傾向は本年度の計算で確認することができた。ただし,微分キャパシタンスカーブは振動して減少する曲線となっており,さらなる計算が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
正側の電位(電極を正に帯電させる場合)についてはほぼ求めることができたが,電極を負に帯電した場合の結果は得られていない。電極を負に帯電させると電子が電極からトンネルしてしまうためか負電位側の計算は成功していない。
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Strategy for Future Research Activity |
電極をAlからAgに変えてAg(111)面でNaCl溶液で計算を行う。種々の濃度で行うのも本年度行ったとおりである。また,電解質は特異吸着のないといわれている過塩素酸ナトリウムイオンで行う予定である。
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Causes of Carryover |
学会がコロナ感染等で中止になり,残額が生じた。本年度は海外出張もあり繰り越した使用する予定である。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Tailored Photoluminescence Properties of Ag(In,Ga)Se2 Quantum Dots for Near-Infrared In Vivo Imaging2020
Author(s)
Tatsuya Kameyama, Hiroki Yamauchi, Takahisa Yamamoto, Toshiki Mizumaki, Hiroshi Yukawa, Masahiro Yamamoto, Shigeru Ikeda, Taro Uematsu, Yoshinobu Baba, Susumu Kuwabata, Tsukasa Torimoto
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Journal Title
ACS Applied Nano Materials
Volume: 3
Pages: 3275-3287
DOI
Peer Reviewed
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