2020 Fiscal Year Annual Research Report
Acquistion of unavailable soil phosphate by arbuscular mycorrhizal fungi
Project/Area Number |
18K05368
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
俵谷 圭太郎 山形大学, 農学部, 教授 (70179919)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 酸性ホスファターゼ / アーバスキュラー菌根菌 / 有機態リン |
Outline of Annual Research Achievements |
アーバスキュラー菌根菌のRhizophagus clarus外生菌糸から浸出される酸性ホスファターゼ活性の検出と土壌中の不可給態リン酸の関係を検討した。30 μm孔径のナイロンバッグによって、根とアーバスキュラー菌根菌の外生菌糸が伸長した区画(菌根区画)とアーバスキュラー菌根菌の外生菌糸のみが伸長した区画(菌糸区画)に区切られた2区画ポットを用いて、滅菌した黒ボク土に過リン酸石灰を用いて0(P0)または0.5(P5) g P2O5 kg-1を施肥し、アーバスキュラー菌根菌Rhizophagus clarusを接種または接種していない区を設け、ネギ(Allium fistulosum 品種元蔵)を栽培した。播種後40日目から55日目に土壌溶液採取管を用いて菌糸区画の土壌溶液を採取し、p-ニトロフェニルリン酸を用いて酸性ホスファターゼ活性を測定した。菌糸区画から外生菌糸に付着した土壌を採取し、土壌中のリンをResin-P、NaHCO3-Pi、NaHCO3-Po、NaOH-Pi、NaOH-Po、及びHCl-Pに分画し、各リン濃度を測定した。ネギの地上部乾物重は接種区で非接種区より高かった。ネギの地上部リン吸収量は接種区で非接種区より高かった。菌糸区画の土壌中のACP活性は、接種区で非接種区より高かった。各画分のリン濃度は、NaHCO3-Po及び NaOH-Poでは接種区で非接種区より低い傾向を示した。これらの結果からアーバスキュラー菌根菌の外生菌糸は酸性ホスファターゼを土壌に分泌し、分泌された酸性ホスファターゼにより有機態リン酸が分解されることが示された。
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Research Products
(2 results)