2020 Fiscal Year Annual Research Report
Structure elucidation study of oolong tea polymeric polyphenol
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18K05486
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柳瀬 笑子 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (60313912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 利 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (50202221)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ウーロン茶ポリフェノール / 高分子ポリフェノール / カテキン / ウーロン茶 |
Outline of Annual Research Achievements |
茶はその加工方法の違いにより、未発酵茶である緑茶、半発酵茶である烏龍茶、完全発酵茶である紅茶に分類される。発酵茶において茶カテキン類はポリフェノールオキシダーゼやペルオキシダーゼにより酸化され、テアフラビンやウーロンテアニンなどの2量体や高分子ポリフェノールに変換されることが知られている。しかしながら、発酵茶中の大半を占める高分子ポリフェノールの化学構造は明らかになっていない。本研究では、ウーロン茶高分子ポリフェノールが、ウーロン茶製造時に生葉中のカテキン類が酸化的に重合することで生成することに着目し、生成中間体の単離構造決定、さらにはその構造情報をもとにした高分子ポリフェノールの推定構造の提案を目指し研究を行ってきた。本年度は、同じ発酵茶である紅茶を試験製造していただき、製造工程(萎凋、揉捻、発酵、乾燥)のサンプリングを行い、LC/MSによる解析を行った。その結果を元に多変量解析を行い、製造工程で変化のある成分の検出を行った。得られた成分について、LC/MS/MS解析を行い、いずれもカテキン由来であることを明らかにした。また、これらの成分はいずれも、茶葉の加工のロットに関係なく生成しており、特に揉捻後期から発酵にかけて多くなることが明らかとなった。次に、これらの成分の構造解析を行うために、単離を検討した。製造工程の茶葉、揉捻過程を模した生葉の磨り潰し、カテキン類を用いたモデル酸化反応を行った。その結果、わずかではあるが、目的と推定される化合物の単離に成功した。今後大量化を行い、NMRによる構造解析を行う予定である。
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