2020 Fiscal Year Research-status Report
ヌクレオソーム動的制御における内部塩基配列の役割の解明
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18K05556
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
加藤 太陽 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (40548418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 健 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (70293701)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヌクレオソーム / DNA / ソフトウェア |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、ヌクレオソーム動的制御における内部塩基配列の役割解明を目的として、ヌクレオソーム配置予測手法の開発及び技術検証を行った。ヌクレオソームの147 bpのDNAを20から21 bpに細分化したセグメントを対象に計算するlocal HBAというスコアが局所でのDNA配列の性質を反映することについて検証を重ねた。開発した予測ソフトウェアはH4-S47Cによるケミカルマッピングのデータを応用しているが、H4-S47Cによる化学切断箇所付近のlocal HBAが極端に低いセグメントを持つヌクレオソームは、そのセグメントでの切断効率が非常に低く、dyadを挟んだ反対側のみが切断されることでコーリングされていたことが判明した。H4-S47Cによる化学切断の非対称性がDNA配列によってもたらされる可能性がある。 また、147 bpのDNAのヌクレオソーム形成への相性を測るHBAに周期性がある点に注目し、実験的に得られたヌクレオソーム配置の正確さを高める方法を考案した。マイクロコッカルヌクレアーゼ(MNase)を用いて同定されたヌクレオソームの位置解像度はそれほど高くないが、周囲のHBAを計算し、高いスコアを示す位置にシフトすると、ケミカルマッピングで見られるものと類似した塩基組成パターンを示す様になった。塩基対解像度でヌクレオソーム配置を同定できるのはケミカルマッピングのみだが、より簡便かつ普遍的に使用できるMNaseによってマッピングされたヌクレオソームをゲノム座標に沿って並進的に補正できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国際誌に投稿中の論文の査読が滞っている(投稿先の学術誌はパンデミックへの配慮を前面に打ち出している)。新型コロナウイルスの感染拡大抑止の観点から研究活動に制限をかけざるを得ない側面もある。幸いにも次年度への継続が認められたので当初の予定を完遂したい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はH4-S47Cというヒストン変異を用いて実施されたケミカルマッピングの情報を用いた予測ソフトウェアを基盤としているが、別の研究課題の取り組みでH4-S47Cによるマッピングの技術的課題が浮上してきている。別のヒストン変異で得られた情報も取り込みながら、より精度が高く利用価値の高いソフトウェアとなるよう改善していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの影響で当初の計画に遅延が発生しており、補助期間を延長したため。
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Research Products
(8 results)