2018 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム改良非依存の耐湿性ダイズ種子の生産:種子の登熟環境と耐湿性
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18K05591
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中嶋 孝幸 東北大学, 農学研究科, 助教 (80241553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 聡 宮城大学, 食産業学群(部), 教授 (00289729)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ダイズ / 耐湿性種子 / 登熟環境 / 生産 / 栽培 / 着莢位置 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイズ種子の耐湿性向上による湿害軽減はダイズの収量増加のために重要である.本課題では,ゲノム改良の手段を用いず耐湿性種子を生産することを目指し,個体内の着粒位置や粒重などと種子の耐湿性との関係を明らかにすることを目的とした.本年度は着粒位置により変化が大きい光環境に焦点を当てた. 栽植密度として標準区(12.5本/㎡)と密植区(25本/㎡)を設けた.それぞれ群落周辺部と群落内部で比較を行うための調査区を設けた.また,密植区では子実肥大始期に条を間引くことにより標準区と同じ栽植密度とする条間引き区を設けた.さらに,標準区,密植区ともに子実肥大始期に複葉のうち頂小葉以外の2枚を切除する剪葉処理と一節に一莢とする摘莢処理によりソース/シンク比を変化させた処理区を設けた.これらの栽培試験を東北大学と宮城大学の2カ所で行った.収穫前に調査個体の節位ごとに莢に網をかぶせ,収穫適期に調査個体を刈り取り,種子含水率が10%になるまで架乾した.その後,1粒毎に粒重を測定し,栽培地,試験区,圃場内位置,着莢節位,莢内位置,粒の外観状態とともに記録し,5℃で保存した. 2カ所の栽培地の両方とも8月9日の台風と17日の豪雨により密植区のほとんどの畝が倒伏したため,密植区について十分な結果が得られなかった.現在まだ標準区のみの種子耐湿性の試験途中であるが,概ね,子実肥大始期から光環境が良好となったとき,得られる耐湿性種子が増加する傾向となった.このことから栽培方法の工夫による耐湿性種子生産の可能性が示唆されたと考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の結果から栽培方法の工夫による耐湿性種子生産の可能性が示唆された.しかし,予定していた密植区の試験が,台風・豪雨による倒伏のため十分な結果が得られなかった.標準区のみで上述の結果を得たがより詳しい解析を行うためには,密植区の結果が必要と考えている.また栽培試験のため複数年の試験結果が必要となるため,1年目としては少し遅れた進捗状況と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
栽培試験は年次変動があるため,複数年の結果が必要である.密植区の検討には1年多く必要となった.また光環境以外の温度,水,養分なども影響している可能性がある.これらの要素を増やしつつ,耐湿性種子生産に影響を与える要因を探求したい.
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Causes of Carryover |
実験遂行のための処理時期と情報収集のための学会講演会開催期間が重なる可能性があったため,講演会に参加できなかった.次年度は前年度の反復試験と新規試験を行うとともに,学会講演会開催期間が重ならないため,学会講演会に参加することで情報収集と前年度の結果を公表する予定である.
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