2019 Fiscal Year Research-status Report
四季成り性を消失した変異株を用いたイチゴ季性遺伝子の解析
Project/Area Number |
18K05633
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
本城 正憲 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, チーム長 (40401195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒倉 健 宇都宮大学, 農学部, 講師 (10650898)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 栽培イチゴ / 8倍体 / 季性 / 四季成り性 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常株と変異株の交配により得たF1個体のうち、四季成り性遺伝子型がex(正常四季成り性遺伝子と変異遺伝子のヘテロ型)およびej(正常四季成り性遺伝子と正常一季成り性遺伝子のヘテロ型)を示す各1個体を自家交配して得たF2集団について、岩手県盛岡市における自然日長、無加温のハウス内で栽培し、季性を判定した。その結果、ex由来の180個体のうち、気温低下に伴い生育がほぼ止まる12月上旬までに開花したのは143個体であった。各個体の第一花開花日は7/8-12/9であり、平均では8/4であった。一方、ej由来の200個体のうち、12月上旬までに開花したのは163個体であり、各個体の第一花開花日は7/11-12/6、平均では8/9であった。開花した個体のうち、気温が低下した晩秋~初冬に開花した一部の個体については更なる検討を要するが、多くのものは四季成り性個体であると考えられた。また、F2個体の作出に用いたF1個体(変異型、正常型)について、次世代シーケンサーを用いて塩基配列を取得した。得られた配列について、これまでに海外の研究グループにより塩基配列が公開されている一季成り性品種Camarosaと比較したところ、変異型とCamarosaでは計268345個の変異が見出だされ、うち42804個が、四季成り性遺伝子座が座乗すると推定される第4連鎖群から見出された。また、正常型とCamarosaでは計286355個の変異が見出され、うち57824個が第4連鎖群に座乗すると推定されるものであった。このうち4339の遺伝子を候補因子として選定した。今後さらに解析を進め、候補因子の絞り込みを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、正常株と変異株の交配により得たF1個体を自家交配して作出したF2集団について、季性を調査した。また、次世代シーケンサーを用いて正常株および変異株の塩基配列データを取得し、四季成り性候補因子の探索を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに取得した表現型データおよび塩基配列データの解析を進める。他の四季成り性品種のゲノム情報や、これまでに開発・公開されているマーカーも活用しながら、四季成り性をもたらす候補因子の絞り込みを行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額24090円は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度の研究費と合わせて、研究計画遂行のために使用する。
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Research Products
(1 results)