2021 Fiscal Year Annual Research Report
Inheritance of cultural resources focusing on the unroofed gassho-Style house and Nembutsu-dojo in Gokayama and Shirakawa-go
Project/Area Number |
18K05702
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 乃生 筑波大学, 芸術系, 教授 (40375457)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 五箇山 / 念仏道場 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は2020年度に続いてコロナコロナウィルス感染症拡大のため、予定していた寺院関係者や合掌造りの所有者は高齢の方へのインタビュー調査をすることができなかった。このため、村史等の文献資料からおもに五箇山地域を対象に念仏道場の推移を把握し、白川郷の状況と比較した。 平村史によると、近世には五箇山には36ヶ所の念仏道場と寺が2ヶ所あった。昭和17年には42ヶ所に増加し、昭和50年代には30ヶ所(3ヶ所の内道場を含む)、令和3年には少なくとも19ヶ所(3ヶ所の内道場を含む)に変化した。地区別に寺院と道場を合わせた数を昭和17年と比較すると、上平地区には変化がなく、平地区で約82% 、利賀地区では約67%となっている。平村史に記載された念仏道場がある集落の人口は明治期と現在を比較すると人口は約18%、世帯数は約47%に減少した。人口の減少率に比べて念仏道場と寺院の減少が緩やかであることがわかる。栃原は道場跡地が市指定史跡に、上中田と寿川は建物が県指定文化財となったが、上中田ではもとの道場が別の場所に移築されてしまったため、集落の家のお内仏で報恩講を続けたという。 一方、白川郷は近世には道場7ヶ所、寺院4ヶ所あったが、現在念仏道場はなく、住職がいる寺院は約三分の一に減少した。白川村の明治期と現在の人口を比較すると約60%となっている(ただし明治期は戸籍人口)。五箇山にくらべて人口の減少率は小さいにもかかわらず、寺院や道場が減少していることが明らかになった。
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