2018 Fiscal Year Research-status Report
地下水熱源CO2ヒートポンプによるハウス加温システム開発に向けた基礎的研究
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18K05895
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
森谷 慈宙 弘前大学, 農学生命科学部, 助教 (30539870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 新太郎 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (60355021)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒートポンプ / COP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、温水循環によるハウス内の加温法を念頭に、地下水熱源CO2ヒートポンプ開発のための基礎的研究を行っていく。空気熱源ヒートポンプでは、冬季において蒸発器周りの空気温度の低下やフロストが付着して、暖房能力やCOPの低下が見られる。地下水熱源では、水温が外気よりも暖かく安定しているため、蒸発器温度が上昇して能力が向上する。蒸発器と凝縮器部の冷媒温度とCOPとの関係は、エントロピーやエンタルピーなど熱力学の概念が必要となる。2018年度では、地下水熱源を想定したヒートポンプのCOP予測を行った。冷媒はこれまで行ってきたR410Aを対象とした。冷媒における圧力-エンタルピー関係図における各状態量は、文献などを参考にして飽和液線や飽和蒸気線などの経験式を基に計算を行って求めた。また、蒸発熱はクラペイロンークラウジウスの式、過熱蒸気における状態方程式はMartin-Hou式を用いた。COPの予測では、凝縮器における過冷却度および蒸発器における過熱度が既知で一定で、エントロピー一定の断熱圧縮過程を前提とした。過熱蒸気では、状態方程式において体積Vと温度Tが圧力Pの陰関数になっていることから、ニュートン法を用いてV,Tを求めた。実測した350個程のデータを基に、COP計算ソフト(日本冷凍空調学会)と比較した結果、COPの誤差が0.09とほぼ同じ値を示し、計算で用いたファクターなどの妥当性が裏付けられた。年度末には、CO2ヒートポンプを設置して試運転を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COP予測について検討を行った結果、高い精度で計算することができた。また、CO2ヒートポンプは問題なく稼働することが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度で検討を行ったCOP式をCO2冷媒に適用するつもりである。同時に、CO2ヒートポンプの稼働を行い、熱源温度とCOPとの関係を検討していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が1,284円であり、ほぼ計画通り使用することができた。 次年度は消耗品の購入に充当する予定である。
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