2018 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of the dairy farming systems for sustainability using multiple management and health science indicators.
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18K05917
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 博美 (河上博美) 北海道大学, 農学研究院, 研究員 (80466002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 真貴子 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (30459672)
佐藤 三穂 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (00431312)
小野 洋 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (40446480)
菱沼 竜男 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (40592077)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 酪農生産システム / 人の健康評価 / 多面的評価 / 経営評価 / QOL(Quality Of Life) / CES-D / BDHQ |
Outline of Annual Research Achievements |
少子高齢化が進み、農地、農業経営体が減少していく中で、農業従事者が受ける労働負担の様態は大きく変化している。ひとりひとりが健康であることは日本の食料自給基盤だけでなく社会の安定的発展にも重要である。本研究では特に重労働だと考えられる酪農業従事者の健康と農業経営の関係を量的・質的調査を用いて明らかにすることを目的とした。 具体的には農学と保健科学分野の協働により①健康管理の阻害・促進要因の解明を酪農業従事者の心身面、生活習慣(食、運動、睡眠)等から評価をする。②経済性、環境負荷、家畜福祉の指標を用いて農業経営の健全性を評価する。③各指標間の関係と影響要因の解明および各指標の重みづけ積算による統合的評価アルゴリズムの構築を行う。 本年度は、調査対象である北海道A町、B町のJAに所属する酪農家(約200戸)より研究の同意を頂くことができ、①についてのアンケート調査(人の精神的健康、食生活、リプロダクティブヘルス(女性のみ))を行った。②のデータ収集については平成30年度から31年度前半の約1年半で行う予定であり、農家の施設概況、経済性、環境負荷にかかわるデータについて入手することができた。しかし、2018年(平成30年)9月6日北海道胆振東部地震の突発的な発生により、データ収集は若干遅れている。特に、家畜福祉評価に利用するデータについては未だ未収集である。③についてはデータ収集がすべてなされたのちに行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年(平成30年)9月6日北海道胆振東部地震の突発的な発生により、データ収集について若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度に得られたデータを解析し、その成果の一部を学術雑誌等に投稿し、公表を図る。同時に、本年度より、主に「経済性」や「環境負荷」のデータを用いてアルゴリズムの構築を図り、酪農従事者の経営行動と従事者自身の健康についての関係を明らかにする。 また、評価に用いるアンケートはすでに完成されているものを用いて行ったが、対象者によっては、異なるアンケート調査を複数回行うことになり、対象者の負担感から、特に女性のリプロダクティブヘルスについて回答者数を十分に得られていない。現在も回答を待っているが、解析可能な人数に満たない場合の対応を検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
アンケートの郵送費を削減するために直接配布をできるだけ行った。旅費についてもレンタカーで乗り合わせることで節約した。また、調査対象戸数について、実際の同意を頂けた農家戸数が少なかったことから結果として調査費用の削減につながった。本年度の余剰予算については、調査対象地域の農家への現地調査費用とし、得られたデータでは理解することの困難な経営状況および農業従事者との直接の対話を通し、研究背景をより強固なものとする。また、論文作成のための文献購入や、学会発表を行う。
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