2019 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of the dairy farming systems for sustainability using multiple management and health science indicators.
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18K05917
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 博美 (河上博美) 北海道大学, 農学研究院, 研究員 (80466002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 真貴子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (30459672)
佐藤 三穂 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (00431312)
小野 洋 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40446480)
菱沼 竜男 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (40592077)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 酪農生産システム / 人の健康評価 / 多面的評価 / 経営評価 / QOL(Quality Of Life) / CES-D / BDHQ |
Outline of Annual Research Achievements |
少子高齢化が進み、農地、農業経営体が減少していく中で、農業従事者が受ける労働負担の様態は大きく変化している。ひとりひとりが健康であることは日本の食料自給基盤だけでなく社会の安定的発展にも重要である。本研究では特に重労働だと考えられる酪農業従事者の健康と農業経営の関係を量的・質的調査を用いて明らかにすることを目的とした。 本年度の成果として,北海道の酪農家(289農家,273名からの回答を分析対象)を対象とした抑うつの調査結果より,抑うつ症状がある人の割合は、男性では17.3%、女性では31.7%でした。特に女性では、60~75歳の人に比べ、60歳未満の人で抑うつ傾向にある人の割合が多い結果であった。仕事については、仕事の過重負担の程度に男女差はなかったが、仕事の裁量度は女性に比べ男性の方が高い結果であった。女性は男性に比べ「仕事の負担への健康への影響」「仕事と家庭の役割のバランス」「公共の施設に遠いこと」「家畜の健康」について心配を感じていた。抑うつに関連する仕事要因については、男女ともに、「仕事の過重負担が大きいこと」「人手不足が心配」など仕事の忙しさに関する要因であった。 本研究の結果より、どのような人が抑うつを抱えやすいか、仕事要因とどのような関連があるかが明らかとなった。男女により共通している部分もある一方で、異なる部分もあることが明らかとなった。農業が持続的に発展において、農業を支えている人が健康に生活できることが極めて重要になるが,これらの結果は、抑うつの予防や心の健康を維持していくための方法を考える上での基礎的な資料になると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査データの収集が完了し,解析作業に入っている。また,成果の一部が論文や学会発表として公表されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
調査結果の公表(論文や学会発表)を目指し,作業を進めている。一方で,農家への成果発表や現地での実態調査が残されている。
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Causes of Carryover |
現地調査および現地結果報告会が新型コロナウイルスの影響で遂行できなくなったために,予算に影響した。今後,この予算については,論文校閲費および投稿料金として使用する。
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Research Products
(3 results)