2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating role of GTP hydrolysis in GTPase-driven mitochondrial membrane fusion
Project/Area Number |
18K06096
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
伴 匡人 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (00579667)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 膜融合 / GTPase / Mitofusin / バキュロウイルス発現 / カイコ / リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアは外膜と内膜の二重膜構造を持つオルガネラであり、融合と分裂によりその形態を制御している。融合因子として、酵母から哺乳動物まで広く保存されたGTP加水分解蛋白質(GTPase)が同定されている。哺乳動物の場合、外膜融合は、外膜に存在するMitofusin (Mfn)の2つのアイソフォーム (Mfn1、Mfn2)が機能する。精製蛋白質の調製の困難さから構造生物学研究が少なく、Mfnがどのように機能するか?その詳細は理解されていない。2020年度は、これまでの研究期間中に確立したカイコ・バキュロウイルス発現による精製Mfn2と、人工脂質二重膜小胞(リポソーム)を利用したin vitro膜融合アッセイを行い、Mfn2の機能解析を行った。界面活性剤存在下で、Mfn2とミトコンドリア外膜のモデルリポソームを混合し、透析で界面活性剤を除去することで、Mfn2が組み込まれたリポソーム(Mfn2リポソーム)を調製した。このMfn2リポソームを使ったin vitro膜融合アッセイの結果、Mfn2がGTP加水分解依存的に、膜融合を起こすことがわかった。Mfn2は、ミトコンドリアだけではなく小胞体にも存在することが示されているので、Mfn2を小胞体のモデルリポソームに挿入し、膜融合活性を解析した。その結果、膜融合の著しい低下が観察されたことから、Mfn2による膜融合は、脂質膜組成も重要な因子であることが示された。現在、カイコ・バキュロウイルス発現により、Mfn1の発現・精製にも成功しており、精製Mfn1がGTP加水分解依存的に膜融合を引き起こすことが確認できた。現時点では、Mfn1とMfn2の膜融合での役割分担が十分に理解されておらず、引き続き、Mfn1とMfn2の両者を用いたin vitro膜融合アッセイを行うことで、外膜融合の分子機構の理解が飛躍的に進むと考えられる。
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