2018 Fiscal Year Research-status Report
シナプス可塑的変化におけるタンパク質供給機構の解明
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18K06498
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
中山 啓 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 助教 (40553590)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 可塑的変化 / 局所翻訳 / 細胞内小器官 |
Outline of Annual Research Achievements |
長期間保持される記憶の形成には、タンパク質の新規合成が必要である。特に、神経細胞に特徴的な翻訳制御機構である局所翻訳は、記憶形成に重要な役割を担うことが明らかにされてきた。しかし、記憶形成の細胞基盤であるシナプスの可塑的変化において、局所翻訳産物が刺激を受けたシナプス後部へ効率的に供給されるメカニズムの多くは、未だ明らかにされていない。本研究では、膜タンパク質が局所翻訳されるタンパク質に含まれるため、分泌経路に関わる細胞内小器官がシナプスの可塑的変化において再編成されると仮説を立てた。本年度は、分泌経路に関わる細胞内小器官の1つである「小胞体-ゴルジ体中間区画」に注目し、シナプスの可塑的変化における細胞内局在の変化を明らかにする研究に取り組んだ。 まず、小胞体-ゴルジ体中間区画の分子マーカーであるERGIC53にGFPを融合したタンパク質と蛍光タンパク質mCherryを、マウス海馬神経初代培養細胞に発現し、小胞体-ゴルジ体中間区画とシナプス後部を可視化した。次に、2光子励起によるMNI-グルタミン酸の光分解を用いて、任意の単一シナプス後部に可塑的変化を誘導し、小胞体-ゴルジ体中間区画をライブ観察した。その結果、シナプスの可塑的変化において、刺激されたシナプス後部近傍に、小胞体-ゴルジ体中間区画が集積するという観察像を得た。この結果から、シナプスの可塑的変化において、分泌経路に関与する細胞内小器官の局在が制御されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シナプスの可塑的変化に伴って、分泌経路に関与する細胞内小器官の1つである小胞体-ゴルジ体中間区画が、刺激されたシナプス後部近傍に集積するという観察結果は、細胞内小器官の再編成によってタンパク質が効率的に供給されることを示唆する。現在、分泌経路に関わる他の細胞内小器官についても、解析を進めている。さらに、今後の研究の遂行に重要となる、シナプスの可塑的変化における微小管動態観察の条件検討も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞内小器官が、刺激されたシナプス近傍に、どのようにして集積するかを明らかにするため、以下の解析を進める。細胞内小器官は、樹状突起の主要な細胞骨格である微小管に沿って移動するため、微小管動態の制御に着目する。まず、シナプスの可塑的変化における微小管の+端の動態変化を調べる。微小管の動態に変化が観察された場合、薬剤処理や遺伝子のノックダウンによって、微小管動態の変化が、細胞内小器官の局在化やシナプスの可塑的変化に必要であるか調べる。
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[Presentation] RNG105/caprin1, an RNA granule protein, regulates structural spine plasticity and is required for long-term memory formation2018
Author(s)
Kei Nakayama, Manabu Abe, Maya Yamazaki, Akihiro Fujikawa, Masaharu Noda, Akira Futatsugi, Katsuhiko Mikoshiba, Kenji Sakimura, Nobuyuki Shiina
Organizer
The 48th Society for Neuroscience Annual Meeting
Int'l Joint Research