2021 Fiscal Year Research-status Report
ストレス誘発性不安緩衝における海馬歯状回抑制性細胞の重要性
Project/Area Number |
18K06516
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
安田 浩樹 佐賀大学, 医学部, 教授 (60294071)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 秀幸 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 研究員 (80252758)
惣谷 和広 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第三部, 室長 (80415207)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | protein kinase N / 抑制性神経細胞 / 海馬 / ストレス / グルタミン酸トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度には本研究課題の先行研究である「PKN1aノックアウト(KO)マウスの海馬興奮性シナプス伝達の異常」がCommunications Biology誌に受理され発表された (Yasuda et al. PKN1 promotes synapse maturation by inhibiting mGluR-dependent silencing through neuronal glutamate transporter activation., 2020)。タンパクリン酸化酵素protein kinase N1 (PKN1)をノックアウトされたマウスでは、神経型グルタミン酸トランスポーター excitatory amino acid transporter 3 (EAAT3)の発現が低下してシナプス間隙のグルタミン酸濃度が上昇するため、通常は誘発されない代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)依存成長期抑 が誘発される、という内容である。本年度はPKN1のEAAT3発現制御が抑制性神経細胞で機能しているか検討するために、以下の実験を行った。 ① 抑制性神経細胞にPKN1が存在していることを、GABA細胞マーカー (GAD65/67)とPKN1を免疫染色することにより確認した。 ② 抑制性神経細胞のグルタミン酸シナプス伝達・シナプス可塑性におけるPKN1の役割を検討するために、野生型、PKN1a KOマウス海馬スライスを作成し、抑制性神経細胞から興奮性シナプス後電流 (EPSC)を記録してシナプス長期抑圧の大きさ、AMPAR/NMDAR比の違いを検討している。 ③ 抑制性神経細胞の興奮性をPKN1が制御しているか検討するために、野生型、PKN1a KOマウス海馬スライスを作成し、抑制性神経細胞から膜電位、活動電位を記録して興奮性の差を検討している。また頻回水泳ストレスによる興奮性上昇が抑制性神経細胞で見られるか、またPKN1a KOマウス抑制性細胞で見られるかを検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、群馬大学との共同研究「ガドリニウムイオンのシナプス伝達への影響」の実験と、長崎大学との共同研究「遺伝子改変マウスのシナプス伝達解析」実験が重なったために、PKN1ノックアウトマウスを使ったプロジェクトの進捗が遅延している。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記群馬大学と長崎大学との共同研究は次年度初頭には終了する予定であるので、PKN1a KOマウスコロニーから実験用のマウスを作成して、本研究課題の完了を目指す。
|
Research Products
(2 results)