2019 Fiscal Year Research-status Report
スフィンゴリピドーシスにおけるリゾ糖脂質の細胞死に対する役割の解明と治療法確立
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18K06658
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
辻 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 助教 (00423400)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リゾ糖脂質 / スフィンゴリピドーシス / リソソーム病 / 糖脂質 / シグナル伝達 / リソソーム / オルガネラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、スフィンゴ糖脂質がリソソームに過剰蓄積して、中枢神経症状を呈するリソソーム病であるスフィンゴリピドーシスの病態におけるリゾ糖脂質の寄与を解析することで、これまで不明であったリゾ糖脂質の生理的機能そして病態に与える影響を解明し、神経難病に対する新規の治療法開発を目的とする。 令和元年度は、神経芽細胞腫であるSH-SY5Yに対してCRISPR/Cas9システムを利用してHEXA或いはHEXB遺伝子をKOし、Tay-Sachs病及びSandhoff病モデル細胞を作製した。作製したモデル細胞では、Tay-Sachs患者由来iPS細胞から誘導した神経細胞と同様に、Aktの不活性化が起こり、神経細胞死を示した。これらの細胞について、糖脂質を抽出し、LC-MS解析を行ったところ、コントロールのSH-SY5Y親株と比較して顕著なGM2蓄積が観察された。また、Lyso-GM2についても蓄積が起こっていることが明らかになった。これらのKO細胞に対して、FTY720を処理すると、Aktの活性化が起こり、神経細胞死が抑制された。現在、モデルマウスの脳に投与を行い、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は、モデル細胞の構築、治療標的のスクリーニング、そして最終年度に予定したモデルマウスを用いた治療法開発まで行うことができた。このため、当初の計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに研究が進んでいるため、次年度以降も当初の予定通りに実験を行う予定である。令和2年度については、下記を行う予定である。 1. リゾ糖脂質の細胞内局在及び臓器分布解析 リゾ糖脂質を蛍光標識した後、細胞に添加することで細胞内局在を解析する予定である。また、各臓器におけるLC-MS解析についても行う予定である。 2. 神経系細胞(神経細胞及びグリア細胞)に対するリゾ糖脂質の影響解析と脂質アナログによるモデルマウスを用いた治療効果の検討 神経系モデル細胞を用い、リゾ糖脂質の量や生成過程を解析し、その阻害を行うことで治療を試みる予定である。また、シグナルを回復させる脂質アナログをモデルマウスに投与し、治療効果を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定より研究が進んだため、必要な試薬等の購入が少なくなり、次年度使用額が生じた。残額については次年度の実験や論文投稿(英文校閲など)に使用する予定である。
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Research Products
(31 results)
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[Journal Article] Development of a 1,3a,6a-triazapentalene derivatives as a compact and thiol-specific fluorescent labeling reagent.2020
Author(s)
Nakayama A, Ohtani A, Inokuma T, Tsuji D, Mukaiyama H, Nakayama A, Itoh K, Otaka A, Tanino K, Namba K
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Journal Title
Communications Chemistry
Volume: 3
Pages: 6
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Linaburiosides A-D, acylated iridoid glucosides from Linaria buriatica.2020
Author(s)
Niwa K, Yi R, Tanaka N, Kitaguchi S, Tsuji D, Kim SY, Tsogtbaatar A, Bunddulam P, Kawazoe K, Kojoma M, Damdinjav D, Itoh K, Kashiwada Y
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Journal Title
Phytochemistry
Volume: 171
Pages: 112247
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Molecular pathogenesis and innovative therapy for lysosomal neuraminidase 1 (neu1)deficiencies(sialidosis and galactosialidoisi).2019
Author(s)
Kohji Itoh, Jun Tsukimoto, Daisuke Tsuji, Yuto Horii, Toshiki Iniwa, Yuri Fukushi, Haruna Andoh, Simona P, Cabitta L, Grassi S, Prinetti A and Sonnino S
Organizer
Glyco25 イタリア・ミラノ
Int'l Joint Research
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[Presentation] 組換えカイコ絹糸腺で高発現するヒトリソソーム酵素のN型糖鎖改変と医薬応用2019
Author(s)
伊藤 孝司, 西岡 宗一郎, 篠田 知果, 竹内 美絵, 福士 友理, 月本 準, 辻 大輔, 小林 功, 炭谷 めぐみ, 飯塚 哲也, 木下 嵩司, 三谷 藍, 堂崎 雅仁, 須田 稔, 松崎 祐二, 飯野 健太, 瀬筒 秀樹
Organizer
第38回 日本糖質学会年会
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[Presentation] イネ科植物の鉄イオン取り込み機構の解明に向けた化学プローブの開発2019
Author(s)
船曵 早希, 佐々木 彩花, 向山 はるか, 村田 佳子, 辻 大輔, カランジット サンギータ, 中山 淳, 難波 康祐, 占部 敦美, 辻 大輔, 伊藤 孝司
Organizer
第14回トランスポーター研究会年会
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[Presentation] 天然マクロライドの全合成が拓く新規多発性骨髄腫治療薬2019
Author(s)
浜田 麻衣, 森崎 巧也, 中山 淳, 寺町 順平, 辻 大輔, 重永 章, 山本 武範, 篠原 康雄, 大髙 章, 伊藤 孝司, 安部 正博, 難波 康祐
Organizer
創薬懇話会2019 in 秋保(仙台)
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