2019 Fiscal Year Research-status Report
Development to individualization treatment of Kampo medicine for the side effect with the chemotherapy that intended proper use
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18K06752
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
佐藤 雄己 福山大学, 薬学部, 教授 (00570087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 弘樹 大分大学, 医学部, 教授 (50420641)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 漢方方剤 / 副作用 / 神経内分泌ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、消化管運動と神経内分泌ペプチドとの関連性を明らかにする予備的検討として、漢方方剤を使用していない集中治療部に入室した担がん患者30名について、術後に経時的に採血を行い(術後1日目、3日目、7日目の計3ポイント)、血漿中神経内分泌ペプチド(acylghrelin、desacylghrelin、motilin、 substance P、nesfatin-1)を酵素免疫測定法にて測定を行った。その結果、排便が認められた患者では認められなかった患者に比較して、血漿中acylghrelin濃度が有意に増加していた。現在、患者の腹部レントゲン画像からの腸管ガス量(GVS)との相関も解析中である。この結果より、血漿中acylghrelin濃度の挙動解析が腸管運動の指標となりうる可能性が示唆された。 2020年度は、集中治療部に入室した担がん患者を対象として、血漿中消化管ペプチドについて、腸管運動改善作用を有する漢方方剤である大建中湯および六君子湯投与後の血漿中神経内分泌ペプチド濃度およびGVSを測定し、漢方方剤の効果を検討する。続いて漢方方剤(大建中湯、六君子湯)が投与されたがん化学療法実施患者について、化学療法実施前(day1), day3, 5, 8の早朝に採血を行い、血漿中神経内分泌ペプチド濃度を測定する。対照群として、すでに血漿中神経内分泌ペプチド濃度測定が終了した食道がん患者(漢方方剤非投与群)10例のデータとの比較を行い、副作用(血液毒性、非血液毒性)発現状況および漢方方剤の効果を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者の異動に伴い、経費の移管や試薬・機器の購入・利用手続きに時間を要したため、血漿中神経内分泌ペプチド濃度測定がやや遅れた。しかし集中治療部に入室したがん患者における腸動と神経内分泌ペプチド濃度との関連性を明らかにしたことは、現在実施中のがん化学療法による副作用と血漿中神経内分泌ペプチド濃度との関連性の検討において、有用な予備的知見となり得ると考えられる。対象患者(漢方方剤非投与群)の患者集積と神経内分泌ペプチド濃度測定は終了しているため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
漢方方剤(大建中湯、六君子湯)が投与されたがん化学療法実施患者について、化学療法実施前(day1), day3, 5, 8の早朝に採血を行い、血漿中神経内分泌ペプチド濃度を測定する。対照群として、すでに血漿中神経内分泌ペプチド濃度測定が終了した食道がん患者(漢方方剤非投与群)10例のデータとの比較を行い、副作用(血液毒性、非血液毒性)発現状況および漢方方剤の効果を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
血漿中神経内分泌ペプチド濃度測定用のELISA Kitは使用期限が3~6か月程度と短いことから事前に購入することができないため、翌年度分と合わせて血漿中神経内分泌ペプチド濃度測定用のELISA Kitの購入費として使用する予定である。また本研究結果を2020年度学会にて発表する予定であり、その旅費としても使用する予定である。
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