2018 Fiscal Year Research-status Report
機能性薄膜を用いた新規電気刺激応答型薬物放出デバイスの開発
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18K06791
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
吉田 健太郎 奥羽大学, 薬学部, 講師 (50609899)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ナフィオン / 機能性薄膜 / DDS / 機能性高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ナフィオンを用いた交互累積膜に薬物を取り込ませ電気刺激に応じて薬物が放出されるシステムを確立することで、機能性薄膜を用いた新規電気刺激応答型薬物放出デバイスの開発を目的としている。初年度では、予定通りナフィオンで構成された交互累積膜を調製した。ナフィオンで構成された交互累積膜は中性溶液にてインスリンを内包することが可能であり、強酸性もしくはアルカリ性溶液にて緩やかな放出がみられた (K. Yoshida, et. al. Preparation of nafion/polycation layer-by-layer films for adsorption and release of insulin. polymers. 2018, 10, 812)。 ナフィオンと対として用いられるポリカチオン種としてポリエチレンイミンやデンドリマーを用いた交互累積膜も試みている。交互累積膜を構成する材料は自由に選択できるため、カウンターに用いるポリカチオンを変えることで薬物の放出速度を変化させることができると考えている。 一方、このようなポリカチオン種はナフィオンの様に薬物の貯蔵庫として扱うことができるのではないかと申請者は考えた。ポリエチレンイミンやデンドリマーは網目状の陽イオン性高分子であり、アニオン性薬物の取り込みが優位となりえる。申請者はこれら特性を生かした薄膜の調製、過酸化水素応答性を有する薄膜も同時に開発を試みている(K. Yoshida, et. al. Preparation of microparticles capable of glucose-induced insulin release under physiological conditions.polymer s. 2018, 10, 1164、K. Yoshida, et. al. Preparation of hydrogen peroxide sensitive nanofilms by layer-by-layer technique. nanomaterials. 2018, 10, 1164)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナフィオンを用いた交互累積膜を用いて、インスリンの他に抗生物質類や精神病薬などのカチオン性薬物を含むことができるが現在スクリーニング中である。 さらに、別のアプローチとしてポリエチレンイミンやデンドリマーを用いた交互累積膜を用いてアニオン性薬物の取り込み及び放出を同様に調査している最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
カチオン性薬物とアニオン性薬物の各々のアプローチを開始した。これにより、様々な手法による薬物放出の可能性が膨らんだと考えている。電気化学的は電極表面の局所的な酸化還元反応にて様々な特性を生じることができるため、異なる電荷を有する薬物の取り込みは必要であると考えている。
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Causes of Carryover |
学校業務のため、学会発表を行うことができなかった(旅費分)。 次年度使用額は、アニオン性薬物による薬物放出制御に必要なポリカチオン(デンドリマー)を用いた交互累積膜の開発に必要な試薬分として使用する。
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