2020 Fiscal Year Annual Research Report
Evolution of cervical muscular and nervous systems from the aspect of comparative and experimental developmental biology
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18K06822
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長島 寛 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40435665)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 軸上 / 軸下 / 筋 / 神経 / 発生 / 解剖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は最終年度であり補助事業期間全体を通じて行った以下の研究の結果を論文にまとめ出版した。 脊椎動物の胴体の筋は形態学的に背側の軸上筋(epaxial muscles)と腹側の軸下筋(hypaxial muscles)に分けられてきた。一方、発生学的にはその形成に発生期の四肢の元となる肢芽が必要な四肢筋(軸下筋の一部)と不要な中軸筋(軸上筋と四肢筋以外の軸下筋)に分けられる。よって胴体の筋群は、軸上筋、軸下筋-四肢筋、軸下筋-四肢筋以外に分けられるのである。この筋の分類に一致してこれらの筋群を支配する神経細胞の種類も異なっており、筋の形態、発生、神経の発生が調和した関係性を持っていると考えられてきた。しかし、肩の筋である菱形筋はこの原則に合わない唯一の例外であり、それをどのように解釈すべきか不明であった。本研究ではニワトリの肩領域を中心に筋とその支配神経の発生を形態的、分子的に観察し、従来の軸上、軸下領域の間にそれらの移行帯となる領域が存在し、この移行帯に菱形筋以外にも幾つかの筋が含まれることを確かめ、この筋群をまとめて「midaxial muscles」と命名した。 この研究の過程で横隔膜の進化的起源についての手がかりが得られた。横隔膜は哺乳類に特異的な構造であり、それがどこから進化してきたのかが不明であった。これまで軸下筋-四肢筋以外由来説と軸下筋-四肢筋由来説があったが、横隔膜を支配する神経と肩の筋を支配する神経で働く分子を比較した結果、横隔膜の軸下筋-四肢筋以外由来説が支持された。
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Research Products
(2 results)