2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new therapy applying vestibular stimulation to muscle atrophy, bone loss, and equilibrium dysfunction
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18K06850
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森田 啓之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80145044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 力 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10585235)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 重力 / 前庭系 / 平衡機能障害 / GVS (前庭電気刺激) |
Outline of Annual Research Achievements |
過重力負荷による平衡機能障害に対する前庭刺激の効果:過重力環境下でラット,マウスを飼育すると,1 g環境に戻した時に平衡機能障害が起こることが知られている。この平衡機能障害が微弱な電流を用いた前庭電気刺激 (GVS: galvanic vestibular stimulation) により予防できるかどうかを検討した。小型埋込型電気刺激装置を用い,10 μA, 1 Hzの刺激を1分間,9分休んでまた1分間を3 g飼育期間中 (2週間) 繰り返した。3 g負荷前後でロータロッドテストを実施し,ロッド上での滞在時間を測定して平衡機能を評価した。GVSを行わないラットでは,滞在時間が3 g負荷前256 ± 19 sから負荷後32 ± 13 sへと有意に減少したが,GVSを行ったラットでは,268 ± 12 sから213 ± 28 sと有意な減少は見られなかった。この結果は,平衡機能障害対策としての微小電流GVSの有効性を示唆する。 宇宙から帰還後の平衡機能障害に対する前庭刺激の効果:6~8か月の国際宇宙ステーション滞在前後で,球形嚢 (cVEMP, cervical vestibular evoked potential) と卵形嚢 (oVEMP, ocular vestibular evoked potential) の機能および平衡機能障害の指標としての重心動揺を調べた。帰還直後には球形嚢機能は低下したが,卵形嚢機能は比較的保たれていた。また,帰還直後にみられた重心動揺の増加が,感知閾値以下の微弱なノイズ波形を用いたnoisy-GVSにより抑制された。これらの結果は,微小重力により球形嚢と卵形嚢は異なった影響を受け,そのoutcomeとしての平衡機能障害は,noisy-GVSにより改善される可能性を示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,「前庭刺激により筋・骨,平衡機能への運動効果が増強されるか?」という課題に取り組んでいる。そのうち,本年度の研究により微弱電流によるGVSあるいはnoisy-GVSを用いることにより,過重力および微小重力により引き起こされた平衡機能障害が改善されることを示唆する実験結果を得ることができた。この結果はGVSの臨床応用をサポートするものであり,今後の研究に繋がることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度以降は,宇宙飛行士実験の症例数を増やすことと,GVSの筋・骨に対する影響および重力酔いに対する影響を調べる。 ラット,マウスの重力酔いの指標として深部体温低下を用いることができることを確かめており,GVSにより過重力負荷時の深部体温低下が抑制できるかどうかを調べる。 筋・骨への影響を調べる実験は,卵巣摘出マウス,ラットを用いて行う。前庭刺激と4~8週間のトレッドミル運動トレーニングを組み合わせた後,筋量,骨量,平衡機能の評価を行う。
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Research Products
(2 results)