2020 Fiscal Year Annual Research Report
An analysis for development of myelodysplastic syndrome and influence of ROS
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18K07073
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
鬼塚 真仁 東海大学, 医学部, 准教授 (80366012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八幡 崇 東海大学, 医学部, 准教授 (10398753)
石井 恭正 東海大学, 医学部, 准教授 (20548680)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ミトコンドリア複合体II / ROS / 酸化ストレス / 全エクソン解析 / 脂肪細胞 / PAI-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞の老化メカニズムの解明を目的として、一連の研究を行ってきた。使用しているモデルは、ミトコンドリア複合体IIのSDHCに点変異を持ち、ミトコンドリア機能異常および活性酸素過剰産生を起こす遺伝子改変マウス(mev-1)を用い、加齢モデルおよび造血幹細胞移植モデルを用いてミトコンドリア複合体IIの機能異常および活性酸素(ROS)蓄積が造血幹細胞の機能に与える影響を解析してきた。これまで、致死量放射線照射後の野生型マウスにmev-1もしくは野生型の骨髄を移植し、16週後に骨髄をサンプリングを行うと、 mev-1由来の移植を行ったマウスは野生型由来の移植と比較して造血幹細胞においてより活性酸素を蓄積し、免疫染色ではリン酸化p-38やγ-H2AXが高発現していることを明らかにしてきた。最終年度である今年度は、上記の移植ストレスを与えたマウスの骨髄細胞からDNAを抽出し、全エクソン解析を行ったところ、mev-1マウス由来の造血細胞は新たに複数の遺伝子変異を獲得していることが判明した。移植によって過剰な複製ストレスがかかった際にミトコンドリアがより活性酸素を産生し、DNA障害がおこることで新たな遺伝子変異を獲得したと考えられた。また、造血幹細胞を育む骨髄環境側が造血に与える影響として、我々は脂肪細胞に着目し、骨髄中の脂肪細胞の多寡が造血能に関係し、そこにPAI-1が介在していることを明らかにした。骨髄中の脂肪細胞はPAI-1を発現し、造血幹細胞の分化を抑制するが、PAI-1阻害剤を用いることにより、造血能が回復することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)