2020 Fiscal Year Research-status Report
熱帯熱マラリアのダイナミクス~多様性は媒介蚊の多様性によって維持される?
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18K07089
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
二見 恭子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30432983)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | DNA抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度までにサンプルの確認が終わり、雇用したインターンを指導してDNA抽出を始めた。DNA抽出は、ELISAサンプルからのDNA抽出(種同定3,257個体+集団解析用198個体)と、蚊の頭部・胸部からのDNA抽出が(原虫検出用4,441個体)必要である。2020年度では蚊の頭部・胸部からのDNA抽出を行った。抽出には、ナイロビの実験室で蚊からDNAを抽出する際に通常利用しており、試薬が現地で容易に購入可能なアルコール沈殿抽出法(Collins et al. 1987)を採用した。しかし2019年度末から新型コロナウイルス感染症がナイロビに流行し、3月に日本からケニアへの入国が禁止された。さらに、ケニア内での移動制限のために研究所が閉鎖され、しばらくは作業が停止状態であった。雇用したインターンも感染症からの退避のためにナイロビを離れたため、4ヶ月間、作業がストップした。その後、8月に復帰したことから、既にチームと契約しているスタッフにも作業を依頼し、2人体制で抽出を進めた。ところがこの2人が新型コロナウイルスに感染し、結果的に2ヶ月間の自宅待機となったため、再度作業がストップした。復帰後、抽出を続け、最終的に頭部・胸部サンプル4,441個体からの抽出は完了した。引き続き、原虫検出PCRへと移行する予定であったが、大学による海外出張に対する制限と前後の隔離期間のために実験指導のための渡航が困難であること、さらに我々のチームのナイロビラボからの移転が決まったことで移転作業が始まったこと、雇用していたインターンが退職したにもかかわらず、移転作業のために新規スタッフを雇用して指導する余裕がないことから、ELISAサンプルからの抽出やPCRへと移行できない状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
作業を任せていたスタッフのナイロビからの退避、及び新型コロナウイルスへの感染により、6ヶ月間、実験がストップしたことによる。また、渡航制限によりスタッフへの実験指導ができず、結果的に指導済みのDNA抽出までしか作業を進められなかったことから、予定していたID-PCRとマラリア原虫検出が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度前期にナイロビラボからの我々のチームの移転が行われることになり、その作業のために現在は実験作業が制限されている。7月には西ケニアのキシアンKEMRIへ移転が完了するため、新規にスタッフを雇用すると同時に研究代表者が渡航して、マラリア原虫検出の方法を指導し、実験を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定ではDNA抽出から原虫検出までを行う予定であったが、研究所の閉鎖やスタッフのナイロビからの退避、新型ウイルス感染症罹患により作業が長期間停止し、さらに研究代表者の渡航が困難であったことから次の段階へ進むことができなかった。そのため、試薬代や旅費が使用されていない。 次年度もスタッフの雇用や研究代表者の渡航が必要なため、それらに充てる予定である。
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