2022 Fiscal Year Annual Research Report
Longitudinal study of population genetics of Plasmodium falciparum in Anopheles gambiae complex in Western Kenya
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18K07089
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
二見 恭子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30432983)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 熱帯熱マラリア原虫 / nested-PCR / Anopheles gambiae s.l. / 種構成 / ELISAサンプル / DNA抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、西ケニアのビタ地区において研究代表者らのチームが2006年から現在まで継続的に採集したマラリア媒介蚊の種構成と、感染しているマラリア原虫の集団遺伝構造の変化を経時的に解析し、原虫の多様性が蚊種の多様性によって維持される可能性を探ることを目的としている。そこで、(1)膨大な数のサンプルを整理して解析対象を絞る、(2)原虫検出、蚊種同定が終わっていないサンプルの解析、(3)得られた熱帯熱マラリア原虫の集団解析の3段階で進める予定であった。 2018年度は共同研究者との打ち合わせと解析用サンプルの選定を行い、蚊帳の配布により蚊の種構成が劇的に変化した2006年から2011年の7地点のサンプルを解析対象とした。対象となった計14,631個体 のうち、9305個体がELISAによる原虫検出に供され210個体で熱帯熱マラリアが検出されていた。 2019年度から2021年度は、COVID-19の流行と利用していたナイロビの長崎大学ケニアプロジェクト拠点Entomologyラボ移転のために作業は停滞したが、2019年はナイロビでスタッフを雇用して成虫頭部胸部からのDNA抽出(原虫検出用4,441個体分)を進めるとともにELISAサンプルからのDNA抽出法を検討した。ELISAサンプルからの抽出には、既存のキットを利用するよりもProtease Kとエタノール沈殿を利用する手法で収量を上げることができた。 2022年度は渡航制限が緩和され、ラボの移転もほぼ完了したことから、現地へ渡航して自身で作業を進めた。期間中、ラボの機材の動作確認をしながら、蚊種同定PCRと原虫検出のためのNested-PCRの条件設定を新たに行なった。最終的に800サンプルの解析を行い、新たに4サンプルで原虫が検出された。同時に現地のスタッフに実験指導行い、今後、彼らに解析を進めてもらうことになった。
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