2019 Fiscal Year Research-status Report
Physiological roles of autophagy in commensal and pathogenic C. albicans in host environments
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18K07125
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
堀江 哲郎 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10508675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 朋子 (川俣朋子) 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (70435527)
那須 優則 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50130688)
小池 麻里 日本歯科大学東京短期大学, その他部局等, 教授(移行) (00234667)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オートファジー / 病原真菌 / Candida albicans / 遺伝子組換え / タンパク質 / 分子生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、前年度中に、病原真菌Candida albicansにおいて、オートファジーモニタリングシステムの構築および、オートファジーの進行に必須なコアATGの破壊株コレクションを作製した。 本年度はまずオートファジーモニタリングシステムを用い、C. albicansにおいて、オートファジーが誘導される条件の検討を行った。その結果として、グルコースを糖源とした富栄養培地を用いて野生型のC.albicansをフラスコでのバッチカルチャーを行うと、グルコースが枯渇するポイントでオートファジーが極めて強く誘導されることを発見した。オートファジーの進行が途中で止まるノックアウト株について、電子顕微鏡を用いて、分解オルガネラである液胞内を観察すると、細胞質成分のみならず、ミトコンドリアなどの、様々な細胞内の成分が基質として取り込まれていることが分かった。 この現象は作製したコアATG破壊株コレクションでは見られないことから、よく研究されているオートファジーの膜動態の分子機構に依存していることが分かった。野生型とコアATG破壊株を培養中に一部サンプリングし、メタボローム解析を行ったところ、オートファジー誘導後に特定の細胞内代謝物に、顕著な違いが見られた。 これらの結果から、オートファジーがC.albicansが生育中に、誘導されて、代謝物の量に大きく寄与していることが明らかとなった。 ここまでの結果は、第61回歯科基礎医学会学術大会において、発表し討論を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は前年度に作製した分子生物学ツールを用いて、オートファジーが誘導される条件を同定した。宿主内環境において、糖源は常に変動しているために、常在菌にとっては成育の重要なファクターであると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 次世代シークエンス技術を用いて、培養液で生育中のC.albicansの発現変動を調べることにより、オートファジーの誘導機構について知見を得る。 2. 同じように野生型とatg破壊株の発現変動を網羅的に調べることによってオートファジーがC.albicansの代謝経路にどのような影響を与えるか知見を得る。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は研究計画では次世代シークエンス受託費用分である。最新の解析方法であり、計算機やソフトウェアなどをそろえる準備期間を要し、年度内の委託および解析の完了は間に合わなかった。 しかし業者の選定、サンプルの準備は完了しており、今年度、既に解析委託料として使用が決定している。
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Research Products
(1 results)