2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new cancer immunotherapy that targets the CD69-Myl9/12 system
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18K07257
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
那須 亮 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (30466859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩立 康男 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70272309)
本橋 新一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (60345022)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん免疫 / CD69 / 細胞傷害性T細胞 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 免疫逃避機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腫瘍組織におけるMyl9/12の局在機構と、CD69を介した細胞傷害性T細胞疲弊の分子機構を明らかにすることにより、CD69-Myl9/12システムを標的とした新規がん免疫療法の開発を目指す。 CRISPR/Cas9システムを用いてMyl9/12遺伝子欠損をゲノム編集したマウス大腸がん細胞株を作製した。この細胞のin vitroにおける増殖能は維持されていたが、in vivoにおける増殖能が顕著に低下していたことから、CD69-Myl9/12システムによる免疫逃避機構の存在が示唆された。Myl9/12の放出はがん細胞自体に依存していると考えられるため、抗Myl9/12抗体投与は腫瘍組織を選択的に標的とする、副作用の少ない治療法になる可能性がある。 CD69-Myl9/12システムによる細胞傷害性T細胞の制御機構を明らかにするために、腫瘍抗原特異的CD8T細胞に着目した解析を行った結果、CD69欠損CD8T細胞におけるエフェクター機能の亢進を見出した。さらにRNA-seq解析を行った結果、エフェクター機能の亢進は転写レベルで制御されていることを明らかにした。CD69欠損CD8T細胞はGranzyme B, Prf1等のエフェクター分子を強く発現していることから、分化型CD8T細胞の割合が増えている可能性が考えられた。従って、CD69-Myl9/12システムは、腫瘍内CD8T細胞の分化抑制を介して腫瘍細胞の免疫逃避を促進する、全く新しいタイプの治療標的であることを明らかにした。
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