2018 Fiscal Year Research-status Report
Basic research for development of novel cancer immunotherapy based on improvement of the cancer immunosuppressive microenvironment
Project/Area Number |
18K07277
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 進 愛知医科大学, その他部局等, 准教授 (70518422)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 徹也 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40334940)
花村 一朗 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70440740)
佐野 塁 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50813846)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 制御性T細胞 / 免疫チェックポイント / 免疫抑制 / 免疫治療 / CCR4 / PD-1 / フローサイトメトリー / 多重免疫染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者末梢血、手術サンプル計25例から、末梢血リンパ球(PBL), 腫瘍内浸潤リンパ球(TIL)を調製し、フローサトメトリー(FCM)により、エフェクター制御性T細胞 (eTreg) の測定及び、免疫チェックポイント分子(ICM)の発現解析を行った。eTreg の値は、CD4陽性T細胞中のCD45RA-FOXP3hi分画の陽性率として示した。eTreg値はPBLに比べTILにおいて、著しく高値を示した(10倍程度)。既報の結果と比較すると、様々な癌腫に比べて、HNSCC TIL中eTregの値は高く、HNSCC内免疫抑制環境の形成におけるeTreg の関与は、他の癌腫に比べても高いのではないかと考えられた。次に、PBL及びTILにおけるICMの発現を検討した。TIL中eTreg上の刺激性ICM(4-1BB,ICOS,OX40,GITR)の発現はPBL、TIL中coventional T-cell(Tconv)に比べて著しく亢進していた。さらに、抑制性ICM(PD-1,CTLA-4,TIM-3,LAG-3)についてもTIL中eTregにおいて、顕著に発現が亢進していることが明らかとなった。これらのことから、腫瘍内に浸潤しているeTregは、著しく活性化しており、HNSCC内免疫抑制環境形成におけるeTregのの役割は高いものと考えられた。 また、多重免疫組織染色で、T細胞及び、Tregの浸潤状況、ICMの発現について検討した。HNSCCにおいては、腫瘍細胞上にPD-L1, galectin9, CEACAMの発現が高頻度にみられた。FCM解析では、TIL中Tconvにおいてこれらの受容体であるICMの高発現が観察されることから、eTregに加えて免疫チェックポイント機構も、HNSCC内免疫抑制環境の形成に強くかかわっているものと考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腫瘍組織内における免疫環境のフローサイトメトリー、多重免疫染色による組織学的解析は、順調にすすみ、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)については、25例の末梢血リンパ球(PBL), 腫瘍内浸潤リンパ球(TIL)、及びパラフィンスライド標本について解析することができた。また、乳頭甲状腺がん(PTC)についても10例についての解析を終えており、組織学的な解析は、予定以上にすすんでいる。Ex vivo 機能解析は、サンプルに制限があり、解析できた症例は少ないが、今後、機能解析に重点を置くことにより、例数を増やすことを考えている。血清中IDO活性の評価については、まだ開始していないが、これまで上記で得られたHNSCC 25例, PTC 10例も含めて、サンプルを凍結保存している。今後もサンプルを累積し、最終年度に一括して測定したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.組織学的解析の継続 頭頸部扁平上皮がん(HNSCC), 乳頭甲状腺がん(PTC) を中心に症例を蓄積し、様々な臨床パラメータと免疫抑制環境(eTreg陽性率、eTreg浸潤数、eTregサブセット、免疫チェックポイント分子の発現状況、マクロファージサブセット分布状況)との関係について検討する。また、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)サブセットのフローサイトメトリー、多重免疫蛍光染色による解析結果の相関性について明らかにしていく。今期、フローサイトメーター新機種(BD Fortessa)更新及び多重免疫蛍光染色分析装置(Vectra3)導入により、より詳細な解析が可能となると期待される。 2.HNSCC患者血清中に含まれる免疫抑制因子の解析 血清中のトリプトファン、キヌレニンをLC-MSで定量し、IDO活性を測定すると伴に抗原特異的CTLの増殖に対するHNSCC血清の影響について検討し、IDO活性との関係を明らかにする。また、血清中に含まれる抑制因子について質量分析計を用いてスクリーニングすることも視野に入れる。 3. HNSCC TIL に含まれる エプスタインバールウィルス(EBV)特異的CTL(EBV-CTL), パピローマウィルス特異的CTL(HPV-CTL)の機能解析 EBV陽性HNSCC患者、HPV陽性HNSCC患者由来TILから、EBV-CTL, HPV-CTL をin vitro で誘導、増殖させ、腫瘍内免疫抑制環境との関係について検討する。
|
Causes of Carryover |
分担研究者3名に分担した費用計30万円のうち、228,401円が繰り越されている。分担研究者3名には、臨床サンプルの調製費用として分担したが、学内で支給されている講座費用で足りる結果となった。繰り越された費用は、次年度の研究の中で、代表研究者がサンプル測定解析費用として使用する予定。
|
Research Products
(5 results)
-
-
[Journal Article] Increased Tim-3+ T cells in PBMCs during nivolumab therapy correlate with responses and prognosis of advanced esophageal squamous cell carcinoma patients.2018
Author(s)
Kato R, Yamasaki M, Urakawa S, Nishida K, Makino T, Morimoto-Okazawa A, Kawashima A, Iwahori K, Suzuki S, Ueda R, Mori M, Satoh T, Doki Y, Wada H.
-
Journal Title
Cancer Immunol Immunother.
Volume: 67
Pages: 1673-1683
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Human T-cell lymphotropic/leukemia virus type 1 (HTLV-1) Tax-specific T-cell exhaustion in HTLV-1-infected individuals.2018
Author(s)
Masaki A, Ishida T, Suzuki S, Ito A, Narita T, Kinoshita S, Ri M, Kusumoto S, Komatsu H, Inagaki H, Ueda R, Iida S.
-
Journal Title
Cancer Sci
Volume: 109
Pages: 2383-2390
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Presentation] Interim immunostaining results from phase I study of pre-operative combination therapy with mogamulizumab and nivolumab.2018
Author(s)
2.Suzuki S, Tsuzuki T, Ishida T, Kojima T, Kakimi K, Iida S, Oka M, Doki Y, Nishikawa H, Ueda R, and Wada H.
Organizer
第77回 日本癌学会総会