2018 Fiscal Year Research-status Report
Identification of new biomarkers in chemoradiotherapy
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18K07290
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮川 隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20721939)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | lncRNA / 放射線治療 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、がんの放射線応答新規バイオマーカーを長塩基長非コードRNA(long non- coding RNA :lncRNA)というものをターゲットにして確立し、その機能を見出すことです。 放射線を照射したヒトがん培養細胞(子宮頚がん由来のHeLa細胞、肺がん由来のA549細胞な ど)を用い、放射線に応答する新規lncRNAの探索とその役割や生体内メカニズムを解明します。それにより、科学的エビデンスに基づいた放射線応答新規バイオマーカー確立へとつなげます。具体的な研究計画としては、1.ヒトがん由来培養細胞において放射線特異的に応答するlncRNAの同定、2.放射線照射前後で発現・細胞内動態が変わるがん関連タンパク質因子の同定、3.同定されたlncRNAとがん関連タンパク質因子との関係の解明、4.同定されたlncRNAの機能解析の4つです。 初年度はこのうち、研究計画初期段階として肝となる1.に焦点を当てて行いました。条件検討後、実際に臨床の現場で放射線治療が広く行われているがん由来の細胞(子宮頸がん由来のHeLa細胞や肺がん由来のH1299細胞、A549細胞など)に放射線を照射し、照射前後のlncRNA発現様式を解析することで、有意に発言変動が見られるlncRNA群をいくつか見つけました。また、lncRNAを含めたRNAはタンパク質と相互作用することで、その機能を発揮することがほとんどで、加えて、放射線照射前後で発現変動するタンパク質を見つかれば、それが放射線応答時のlncRNAの機能とリンクしている可能性が高いため、タンパク質同定も重要になります。次年度にスムーズに行えるようにタンパク質同定のための条件検討も行いました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の初年度として、一番肝となる条件確立および放射線に応答するlncRNAを同定することができ、かつ、タンパク質解析の条件検討までを行えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に引き続き、研究計画通り進める予定です。具体的には、タンパク質同定、続いてのlncRNAとタンパク質間の相互作用解析に進みます。
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Causes of Carryover |
予定していたよりも円滑に研究が進み、計上していた予定額よりも少し少なくて済みました。次年度に交付される額に今回の残額である次年度使用額を併せた予算を用い、次年度に予定されている、本研究では重要な部分となる、lncRNAとタンパク質間の相互作用解析を遂行することを計画しています。
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