2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new meaningful clinical bacteriological test based on metagenomic and DNA methylation analysis
Project/Area Number |
18K07408
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西村 基 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (80400969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 守 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (20401002) [Withdrawn]
田中 知明 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (50447299)
別府 美奈子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (70623669) [Withdrawn]
松下 一之 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (90344994)
土田 祥央 日本大学, 医学部, 助手 (90410422)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 臨床検査 / 細菌検査 / メタゲノム / メチル化解析 / 新型コロナウイルス感染症 / COVID-19 / SARS-CoV-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度における本報告では、「今後の研究の推進方策」において、「臨床から分離された薬剤耐性株や細菌叢において、そのゲノムのDNAメチル化状態を解析できるデータが得られつつある。しかしながら、特にNGS(次世代シーケンサー)解析によって得られる状態は大量であり、かつ、その中には未報告の現象と思われるものも相当にあり、その真偽の判定や確からしさの検討を、まずは推進し現在行っている解析の工夫が妥当なものであるか検討を行う必要がある。」があると述べた。 よって、今年度における研究開発では、前年度に方策した検討をまず行った。
具体的には、菌株で得られたDNAメチル化データの再現性を確認すると同時に、それだけでなく解析対象となる菌株をグラム陰性菌から、陽性菌に広げた場合にも本研究で開発した手法は再現性をもって有効であることを確認した。 さらには見いだされた未報告DNAメチル化の原因となる新規酵素を同定し、その機構を明らかにすることにも成功した。菌叢で得られた未報告のDNAメチル化についても、分離株を用いて検討することで、その存在を証明し株分別における可能性を示しつつある。 これらの実績は、16SrRNA遺伝子のようなメタゲノムに多く用いられる領域を含めた細菌ゲノムDNAのメチル化解析が菌種横断的に可能な事を示している。つまり、従来なかった"Metaepigenetics"とでも呼ぶべき分野の可能性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」で示した通り、"metaepigenetics"とでも呼ぶべき分野の可能性を示し、新たな細菌叢解析手法となり、臨床細菌検査においても株分別における有用性が考えられたため、本研究課題の申請時において予定していた最終年度(2020年度)でもあり、英文査読付き雑誌への論文発表に向けたデータの整理を進めていた。 しかしながらここで平行して生起したのが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)であり、申請者はそのPCR検査を主に担う検査部所属である事から、本研究に割くエフォートを減少させざるを得ず、論文発表の準備を完遂できなかった。この意味で上記区分「やや遅れている」と評価せざるを得なかった。 反面、少量かつ夾雑の多い臨床検体から目的の核酸配列を選択的に増幅させる本研究で開発された実験手法は、同様にしばしば希薄なCOVID-19臨床検体からのSARS-CoV-2変異株同定に威力を発揮するという思わぬ成果も得られている。これは、クラスター検体のように患者由来の検体の濃度が大きくばらつくにもかかわらず、シーケンシングで配列の異同を同定する必要があるケースにおいて特に有用であった。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況で述べた通り、COVID-19の思わぬ流行のため、研究成果の英文査読付き雑誌への論文投稿が2021年度にずれ込まざるを得なかった。 2021年度においては、本研究の成果をまとめ発表するのは、よって勿論のことである。そして、本研究課題を細菌分野において発展させたい。述べた通り細菌種横断的にepigeneticsとして広くDNAメチル化を解析できるため、研究代表者の所属する病院検査部のような日々、大量に(年間数万件の単位で)細菌同定検査の検査後廃棄物が排出される即ち分離培養・同定された菌株が日常的に手に入る環境においては、未だ知られざるDNAメチル化や、その責任新規酵素、そして薬剤耐性など臨床的な表現型との関係など、科学的にも知財の面からも大いにその発展は期待できると考える。 そして、これも「進捗状況」で述べた通り、COVID-19検査といったRNAウイルスを含めたより広い感染症検査研究に応用していきたい。
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Causes of Carryover |
予期せぬ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のの影響で、申請者の所属部署でのPCR検査に時間が割かれ、本研究の進捗は遅れ、科研費における次年度使用額が生じてしまった。2021年度は、本研究の主題をまとめ成果を上げるために研究費を使用する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] TAS4464, a NEDD8-activating enzyme inhibitor, activates both intrinsic and extrinsic apoptotic pathways via c-Myc-mediated regulation in acute myeloid leukemia.2021
Author(s)
Ochiiwa H, Ailiken G, Yokoyama M, Yamagata K, Nagano H, Yoshimura C, Muraoka H, Ishida K, Haruma T, Nakayama A, Hashimoto N, Murata K, Nishimura M, Kawashima Y, Ohara O, Ohkubo S, Tanaka T.
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Journal Title
Oncogene.
Volume: 40
Pages: 1217-1230.
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Comprehensive mutational analysis of background mucosa in patients with Lugol-voiding lesions2021
Author(s)
Akizue, N; Okimoto, K; Arai, M; Hirotsu, Y; Amemiya, K; Oura, H; Kaneko, T; Tokunaga, M; Ishikawa, K; Ohta, Y Taida, T; Saito, K; Maruoka, D; Matsumura, T; Nakagawa, T; Nishimura, M ; Chiba, T; Matsushita, K; Mochizuki, H; Yokosuka, O; Omata, M; Kato, N
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Journal Title
Cancer Medicine
Volume: in press
Pages: -
Peer Reviewed / Open Access
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