2020 Fiscal Year Research-status Report
A study of the physiological monitoring at home for sleep disturbance in patients with cancer
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18K07431
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
蓮尾 英明 関西医科大学, 医学部, 講師 (00460824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神原 憲治 香川大学, 医学部, 教授 (90440990)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 不眠障害 / 在宅医療 / コーピングスキル / 心拍変動 / バイオフィードバック / がん患者 / アクチグラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
根治不能ながん患者の不眠障害に対する在宅心拍変動バイオフィードバックの短期効果を調査した。早期からの専門的緩和ケアでは、がん患者のコーピングスキルの向上を介してQOL向上に寄与することが報告されている。本研究の目的は、不眠障害に対するresonant breathingを用いた在宅心拍変動バイオフィードバック(HRV-BF)の正確な実施や早期の習得が得られるセルフコーピングシステムを構築して、その短期効果と実施可能性を検討することであった。在宅での就寝前の携帯型HRV-BF装置を用いたHRV-BF with resonant breathingの有無によるランダム化オープンラベル群間比較試験を行った。主要評価項目は、介入前後2週間の睡眠効率の変化率とした。睡眠の主観的指標はピッツバーグ睡眠質問票、客観的指標はActigraphy sleep parametersを用いた。参加者は、病院でHRV-BF with resonant breathingを導入した、不眠障害を有するがん患者50例とした。在宅HRV-BF群25例の完遂率は96.0%、実施率は91.8%であった。在宅HRV-BF群は、睡眠効率、総睡眠時間、HRVの低周波成分の有意な改善を認めていた。睡眠潜時は悪化したが、有意差は認めなかった。在宅HRV-BF with resonant breathingは早期の習得と短期間での睡眠と自律神経機能の改善を可能としており、セルフコーピングシステムとしての高い短期効果と実施可能性が示された。さらに、二次解析にて、身長との相談をもとにしたresonant breathing数推定式が得られたため、今後病院でのresonant breathing検索が不要になり、導入・実施ともに在宅でHRV-BF with resonant breathingを行える可能性がでてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究で得られた知見は、学会のシンポジウム、英文論文で発表した。今後、下記(今後の研究の推進方策記載)の次研究を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
先ず、次研究として、本研究で得られた「個人特有のresonant breathing数と身長との相関」をもとにしたresonant breathing数推定式の妥当性・信頼性を調査する検証試験を行う。次に、この検証試験のデータをもとに、がん患者の不眠障害における在宅でのHRV-BF with resonant breathingの導入・実践(完全在宅型システム)が患者のセルフケアになりえるか探索的に調査する。さらに、この探索的研究のデータをもとに、がん患者の不眠障害に対する完全在宅型システムによるHRV-BFと薬物治療との比較の検証試験を行う。
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Causes of Carryover |
昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、最終年度に予定していた海外学会での演題発表が延期になったことが理由として挙げられる。翌年度分として繰り越しをさせて頂いた助成金は、延長となった海外学会や令和3年度の学会における参加費や、本研究の二次解析で得られた知見を報告する論文の校正費や投稿費などでの使用を予定している。
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Research Products
(2 results)