2019 Fiscal Year Research-status Report
直接経口抗凝固薬療法時における出血および血栓リスクの指標作成に関する研究
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18K07473
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
大村 一将 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (10803637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家子 正裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50250436)
高橋 伸彦 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (20372279)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 直接経口抗凝固薬 / 希釈プロトロンビン時間 / 血栓塞栓症 / Xa阻害薬 / 確認試験 / 血栓マーカー / 出血イベント |
Outline of Annual Research Achievements |
直接経口抗凝固薬(DOAC)は現在では様々な血栓性疾患に対して広く用いられ、治療中にモニタリングが不要であることが最大の利点とされる。しかし定用量での使用は患者個人個人が有する凝固能および抗凝固能を考慮すると、その抗凝固効果が同様に発揮されるとは考えがたい。世界的にもDOAC療法時の効果不足・過剰を確認する指標の開発が望まれている。 今年度は、残存抗凝固能の指標として引き続き希釈プロトロンビン時間(dPT)を基にしたRatio of Inhibited Thrombin Generation(RITG)を用い健常者117検体からRITGの基準範囲を定めた。またRITGを用い、血栓の指標としてFMCおよびD-dimerとの関連を検討した。結果、RITGとD-dimer値はDOACの種類によらず負の相関の示し、D-dimer陽性検体と陰性検体においてRITGには有意な差が認められた。特にRITGが基準域以下にある検体では有意にD-dimer陽性率が高かった。またこれらの関連は、DOACによって違いが認められた。また、FMCとRITGとの関連については各DOACによりさまざまな結果であった。 次に、出血イベントが発生した検体とRITGとの関連について検討した結果、各DOAC間で違いが認められ、RITG高値と出血イベントとが関連する薬剤が存在する可能性が示唆された。 今後はRITGが治療効果の過不足を反映しうる可能性が示唆された結果を踏まえ、年齢、腎機能、薬剤減量等の患者背景による違いについてさらに検討し、出血マーカーを検討項目に加えてRITGとの関連を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定の血栓マーカーならびに出血イベントとのRITG測定値との検討について解析に足るサンプルを収集し解析を行った。結果は国際学会で発表した。 RITGに関する基礎的なデータに関する論文を作成し、現在投稿中である。 2020年度に出血イベントとRITG測定値との関連についての検討をまとめ2つの国際学会で発表を予定していたが、COVID-19の世界的流行のため延期となり学会での議論が未だ得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はRITGと血栓マーカーおよび出血イベントとの関連について臨床的にしばしば直面する腎機能障害、薬剤減量治療時の抗凝固能の指標としてRITGがよい指標となりうるかについて検討する。最後に検討中の出血マーカーとRITG値との関連についても検討を行う。
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Causes of Carryover |
次年度に複数の学会へ参加予定であったため使用しなかった。
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