2020 Fiscal Year Annual Research Report
Comparison of brain imaging and drug responses between bipolar I and II disorders.
Project/Area Number |
18K07568
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
寺尾 岳 大分大学, 医学部, 教授 (80217413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩月 一平 大分大学, 医学部, 客員研究員 (00444886)
石井 啓義 大分大学, 医学部, 准教授 (00555063)
秦野 浩司 大分大学, 医学部, 講師 (30516092)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 双極Ⅰ型障害 / 双極Ⅱ型障害 / 双極スペクトラム障害 / 生存曲線 / 気分安定薬 / 抗うつ薬 / 抗精神病薬 / ベンゾジアゼピン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、双極Ⅰ型障害とⅡ型障害の経過や薬物反応性の違いを検討することにあった。そのため、大分大学医学部附属病院精神科を2009年4月1日から2019年11月30日までの期間に初診した患者のうち、当科への入院歴のある双極性障害に該当する患者218名を対象に後方視的に解析を行った。患者背景は、退院時年齢51.3歳(17~89歳)、女性121名、男性97名、双極Ⅰ型障害69名、双極Ⅱ型障害97名、双極スペクトラム障害(循環気質や発揚気質を有するうつ病など躁的因子を有するうつ病)52名であった。なお、同一患者が複数回入院した時には、それぞれの退院時から次回入院までの経過をひとつの経過として扱った。薬物に関しては、リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギン、抗うつ薬、抗精神病薬、ベンゾジアゼピンを、退院時に服用していたか否か、最終調査時点で服用していたか否かによって、退院時も最終服薬時にも服用していた群、退院時は服用していたが最終服薬時は服用していなかった群、退院時は服用していなかったが最終服薬時には服用していた群、退院時も最終服薬時にも服用していなかった群の4群に分けて、経過との関連を検討した。解析は、COXの比例ハザードモデルを用いて、退院から最終観察終了時まで外来継続をイベントなし、退院時から再入院したり、再発のための他院紹介、死亡をイベントありとして扱った。共変量には、年齢、性、診断(双極Ⅰ型、Ⅱ型、双極スペクトラム)、リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギン、抗うつ薬、抗精神病薬、ベンゾジアゼピンの服用状況(上記4群)とした。その結果、診断や気分安定薬は経過に有意な影響を与えず、抗うつ薬、抗精神病薬、ベンゾジアゼピンの服用が経過に有意な影響を与えた。これらの所見は、双極性障害治療において、気分安定薬以外の処方にも留意すべきことを示唆している。
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Research Products
(1 results)