2020 Fiscal Year Research-status Report
Prevalence and associated factors of delayed sleep phase syndrome in Japanese
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18K07581
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Research Institution | Neuropsychiatric Research Institute |
Principal Investigator |
井上 雄一 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (50213179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒田 陽子 明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (40451380)
岡島 義 東京家政大学, 人文学部, 准教授 (50509867)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 若年者 / 睡眠相後退 / 社会的時差ボケ / 日中機能 / 抑うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2019年に実施したベースライン調査の結果についての論文執筆と並行して、COVID-19感染拡大下における外出自粛下(2020年5月)での若年者の睡眠実態と日中機能を評価し、両調査間での変化につき検討した。その結果、感染拡大下では若年者の睡眠相は有意に後退しており、総睡眠時間が延長していたこと、週日と週末の睡眠相のずれを示す社会的時差ボケも減少しており、特にこの傾向は在宅学習が徹底していた学生で顕著で、通常の勤務形態が保持されていた勤労者ではあまり目立たなかった。しかしながら、AIS(不眠尺度)とESS(日中眠気尺度)によって表される睡眠問題はCOVID-19感染拡大下における増加はなく、SF-8(日中機能尺度)やK-6、PH-9によって評価された精神機能にも問題はみられなかった。感染強度が高く外出制限の厳しい欧米では、睡眠問題とこれに随伴する日中機能障害がクローズアップされているが、感染強度とこれに伴う外出制限が世界的水準からみて緩やかだった日本では、学生において睡眠習慣の変化が生じつつあるものの、疾病レベルの問題ならびに日中機能障害へは、現時点では発展していないものと判断された。しかしながら、学生での睡眠相後退には、日中の受光量の低下、運動量の低下が関与していることが示された。このような睡眠習慣の変化は、短期間では悪影響が少ないものの、長期化よって心身健康に悪影響を及ぼす可能性が懸念されるので、睡眠習慣を保持するための睡眠衛生保持を徹底すること、同一対象者への追跡調査を実施することが重要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定時期に調査が実施され、作業仮説に合致した成果が得られている。計画当初の予後調査研究だけでなく、COVID-19による影響に関するデータも取得できた。現状の研究体系を推進する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ベースライン調査で、病的水準の睡眠状態だった対象者について、COVID-19感染拡大下での睡眠調査結果を付加的に検討する。 また、感染が収束する時期(本年秋;ベースライン調査から2年後)に同一質問項目を用いて 同一対象者に調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大中に第二回調査を行ったため、その終息後に調査が必要となる。具体的には、同一質問紙を用いて2021年10-12月に同一対象者について調査を実施する予定であるため、これと集計・論文作成に関連した費用を計上した。
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Research Products
(8 results)