2021 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症におけるM2マクロファージ機能不全に着目した病態解明
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18K07609
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山内 崇平 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20550817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紀本 創兵 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00405391)
鳥塚 通弘 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20588529)
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Project Period (FY) |
2021-01-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorders: ASD)は、現在有病率が1~2%と以前に比べて高い頻度を示し、専門医療機関への受診も増加しており、社会的な関心が高い疾患である。多くの研究が行われているが、その病因及び病態については解明されていない。 ASD患者では中枢神経系においてミクログリアの活性化など免疫系の異常が多く報告されている。また同時に、末梢組織においても気管支ぜん息などアレルギー疾患の罹患率が高いことも知られており、全身性に免疫系の異常が想定される。 我々はこれまでに、ASDモデルマウスで、ミクログリア由来の炎症性サイトカインが増大していることを報告し、また、ASD患者の末梢血単核球(PBMC)において、炎症性サイトカインとASD症状の一つである社会性の障害が有意に相関することを報告してきた。PBMCから分化するマクロファージはM1/M2極性に分類されるが、近年、M2マクロファージの機能不全がアレルギーやメタボリックシンドロームなどの病態に関連していると報告されており、本研究では、ASD患者のM2マクロファージの機能不全について着目している。ASD患者のM1およびM2マクロファージの炎症性サイトカイン等について検討しASDの病態解明を目指すことを目的としている。また、それらの発現量とADOS-2やさまざまな心理検査の結果との相関について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ASD由来マクロファージを用いた実験から、下記題名にてAutism research誌に投稿した。 Tumor necrosis factor-α expression aberration of M1/M2 macrophages in adult high-functioning autism spectrum disorder ASD群においてM1マクロファージにおけるTNF-α発現およびTNF-αのM1/M2マクロファージにおける発現比が健常群に比べて有意に高いことを示し、これらの結果は、成人の高機能ASDの診断ツールとなり得る可能性について報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
ASD由来のマクロファージを用いた実験を継続して、他のサイトカインなどの因子について検討していく。また、マクロファージのTNF-α発現とさまざまな心理検査の結果との相関について検討する。
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Causes of Carryover |
必要であった試薬等が減少したため。
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[Journal Article] Tumor necrosis factor-α expression aberration of M1/M2 macrophages in adult high-functioning autism spectrum disorder2021
Author(s)
Takahira Yamauchi, Manabu Makinodan, Michihiro Toritsuka, Kazuki Okumura, Yoshinori Kayashima, Rio Ishida, Naoko Kishimoto, Masato Takahashi, Takashi Komori, Yasunari Yamaguchi, Ryohei Takada, Kazuhiko Yamamuro, Sohei Kimoto, Yuka Yasuda, Ryota Hashimoto, Toshifumi Kishimoto
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Journal Title
Autism research
Volume: 11
Pages: 2330-2341
DOI
Peer Reviewed
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