2019 Fiscal Year Research-status Report
Regulation of radiation sensitivity using ultrafine nanobubble oxygen
Project/Area Number |
18K07665
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横堀 武彦 群馬大学, 未来先端研究機構, 准教授 (60420098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 杏一 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10448897)
酒井 真 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (70420099)
宗田 真 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (70507326)
桑野 博行 群馬大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (90186560)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 低酸素 / 酸素ナノバブル / 放射線抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、われわれの研究グループが開発した世界最小レベルの酸素ナノバブルが、がん細胞株に対する放射線感受性に与える影響を検討することである。 これまでに肺癌細胞株、食道癌細胞株、乳癌細胞株を含むさまざまな癌腫で酸素ナノバブルががん細胞株の低酸素環境,hypoxia inducible factor alpha subunit (HIF1A)発現に与える影響も解析してきた。 昨年度の検討で、食道癌細胞株に対する酸素ナノバブル水処理がHIF1A発現を制御することを検討してきた。 本年度は、腫瘍形成能を有する肺癌細胞株を用いた皮下移植マウスモデルを作成し、そのマウス皮下腫瘍に対する酸素ナノバブル水の影響を評価することとした。また並行して、がん細胞株を移植していないマウスに対する酸素ナノバブル水の長期投与の影響を動物実験実験で検証する。 結果として、マウスに移植された皮下腫瘍を投与した群は、コントロール群と比較して腫瘍が縮小していた。また動物実験での安全性を検証する検討でもマウスの体重、マウスの外観、臓器の肉眼的検討、病理学的検討でも酸素ナノバブル投与が原因と考えられる顕著な差異は認めなかった。マウスを持ちた安全性に関する検討は将来的に実施を目指している前臨床試験、ヒトでの臨床試験のためには必須のデータであり、この基礎データを基に今後の実験計画を考えていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、酸素ナノバブルの有効性を動物実験で検証し将来的にはヒトでの臨床試験を実施することが目標である。昨年度までの検討で食道癌細胞株に対するHIF1A抑制効果とすでに検証し、放射線感受性に関する検討も実施していた。本年度は食道癌扁平上皮癌細胞株での検討と並行して肺癌扁平上皮癌細胞株を用いた担癌モデルマウスで酸素ナノバブル水による抗腫瘍効果を示せた点は大きな進展と考えている。また安全性に関する検討では、酸素ナノバブルによる顕著な毒性が動物実験で確認されない事を確認できた点は重要な知見である。これらの結果から、本研究は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討で、食道癌1株でわれわれの酸素ナノバブル水がHIF1A抑制、放射線感受性などの効果を誘導することを確認していることから、この効果を複数のがん細胞株で更に検証していくことを検討している。 また、動物実験での酸素ナノバブルの効果は1種類の細胞株で検証したのみで、複数の細胞株での実験、ならびに放射線増感効果を誘導しうるのかの検証も行っていく計画である。 次世代シークエンサーを用いた酸素ナノバブル水ががん細胞株の遺伝子発現プロファイルに与える影響についても解析を実施する。
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Research Products
(3 results)